プロ野球亭日乗BACK NUMBER
阪神、巨人に3連敗。バースの再来の
はずが……ボーアに“渡部の呪い”!?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/06/22 11:45
6月21日の巨人―阪神3回戦、6回2死満塁の好機に二塁ゴロに倒れたボーア。3連戦で12打席無安打に終わった。
キャンプ見学で渡部が惚れ込んだ。
渡部さんがパーソナリティーを務めていたJ-WAVEの「GOLD RUSH」のスポーツコーナーでのことだった。
熱烈な阪神ファンとしても知られる渡部さんは、2月1日のキャンプイン直後に沖縄・宜野座キャンプを見学に行っていた。
そこで惚れ込んだのが“バースの再来”ボーアだったのである。
「これまでの外国人選手とはちょっと違いますよ」
興奮気味に語る渡部さん。
「打ち出すときにグリップがちょっと下がってからバットを引く感じとか、フォームもちょっとバースに似ていて、何より左中間への打球が伸びるんです! あれなら甲子園の浜風に乗せてホームランが出る!!」
「カーネルサンダースの呪い」
観ているところがグリップの動き。さすがなマニアックさも記憶に残っている。何より阪神を語るときの熱が直に伝わってきたのは紛れもない事実だった。
そんな阪神ファンの渡部さんも、プロ野球を心待ちにしていた1人だったはずだが、開幕を目の前にして表舞台から姿を消さざるを得なくなってしまった。今は語りたくても語れない。いや……それどころではないだろう。
そしてそんな渡部さんが大絶賛していたボーアが、憑かれたように大ブレーキとなっての阪神の開幕3連敗である。
プロ野球界にはメジャーリーグの「ヤギの呪い」や「バンビーノの呪い」、日本でもいまだに阪神を呪縛する「カーネルサンダースの呪い」など数々の「呪い」の都市伝説がある。阪神にとっては2000年以来20年ぶりというまさかの事態に、思わず「渡部の呪い」という不吉な言葉が頭をよぎってしまった。