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阪神、巨人に3連敗。バースの再来の
はずが……ボーアに“渡部の呪い”!?
posted2020/06/22 11:45
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
まさかまさかのスイープ劇だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で3カ月遅れで始まったプロ野球。その開幕シリーズとなった東京ドームの巨人対阪神3連戦は、両チームの開幕カードとしては史上初めて巨人が阪神に3連勝という結果で終わった。
再三の開幕延期を耐え忍んで、ようやく聞くことができた球音だったが、巨人ファンと阪神ファンは、いきなり天国と地獄の差を味わうことになってしまったのである。
この3連戦を振り返ると巨人ファンも阪神ファンも、同じように思い浮かべる場面があるはずだ。
絵に描いたように左対左の図式に終わる。
まずは第2戦の7回だ。
2点を追う阪神の攻撃。2死二、三塁から3番のジェフリー・マルテ内野手が四球を選んで満塁と攻め立てる。ここで打席に入ったのが、今季の4番を任されるはずの新外国人選手、ジャスティン・ボーア内野手だった。
たまらず巨人ベンチは左の高木京介投手にスイッチする。
メジャー時代から左投手が苦手なボーアは、開幕前の練習試合でも左投手に16打数無安打と音なしが続いていた。
しかもこの試合では3回にも、先発左腕の田口麗斗投手に2死満塁のチャンスで二ゴロに打ち取られるなど3打数ノーヒット。巨人としては満を持してのサウスポー投入だった。
そして結果も絵に描いたように左対左の図式に終わる。
1ボール2ストライクからの4球目、高木の外角ストレートにピクリと反応したが、バットを出ずに見逃しの三振。これで阪神の反撃ムードは一気に萎んでしまった。