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一軍初勝利、楽天新監督の素顔とは?
あの名将の真髄を継ぐ知将・三木肇。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2020/06/19 21:20
日本ハム、ヤクルトなどでの育成では素晴らしい実績を残している三木肇監督。初の一軍采配でチーム躍進を誓う。
「常に前進できるチームにする」がテーマ。
開幕へ向けた練習試合。実戦形式の練習をせず臨んだ楽天は、12球団中2位タイの6勝3敗2分と上々の仕上がりを披露した。
プロ野球評論家たちの多くが、楽天をAクラスと予想する。そこには当然、鈴木大地や涌井秀章ら実績豊富な選手たちの加入も大きいが、緻密な野球を展開し、結果にも繋げる三木野球への期待値も多く含まれている。
ただ、そういった「成功」にだけ目を向けていては、楽天の本質は見抜けない。
力の源は「意味のあるミス」にある。トライアル&エラーを重ねてこそ、楽天は強くなる。
開幕を迎えるにあたって、三木の言葉が鮮明に蘇ってくる。
「去年の秋のキャンプからやってきたことを、シーズンでも貫くことは大事だとは思います。でもやっぱり、実際に戦っていくなかで微調整の必要だったり、改善点が見つかってくるのが野球だから。そういうところと向き合って、工夫しながら戦っていきたい。常に前進できるチームにするというのが、僕のテーマです」
オリックスとの開幕戦。エースの則本昂大が7回1失点と好投し、打線も同点の8回に7安打8得点と爆発。9-1と快勝した。
最少失点で守り抜き、勝つ野球。新監督は初陣で自らが掲げる野球を示した。そして、楽天はこれから、まだまだ成長を遂げる。