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バイエルン偉業8連覇達成の立役者。
フリックの戦い方と強さの秘訣。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/06/22 11:40
「8」連覇を達成したバイエルン。ハンジ・フリックの指導の下、ジェローム・ボアテンク(中央)らが躍動を見せた。
リーガ中断明けの快進撃。
新型コロナウイルス流行前からフリック体制のバイエルンは安定した成績を残し、監督自身は昨年11月に暫定の文字が外れて正式に“盟主”の指揮官に就任して、リーガ中断期間中の4月3日には2023年6月30日までの契約延長と相成りました。
その間、チームは他クラブを圧倒し続けたのですが、特筆すべきはリーガ中断明け後の破竹の快進撃でしょう。この原稿を執筆している6月18日現在、中断明けの成績は7戦全勝。DFBポカールでもアイントラハトを下して決勝に進んでいるため、チャンピオンズリーグを含めたトレブル(3冠)の可能性を残しています。
これは少々穿った見方かもしれませんが、無観客試合ではファン、サポーターの存在がスタジアムにないことから、試合内容が外的要因に左右されないように思われ、対戦相手同士の明確な実力差がそのまま結果に表われるようにも思います。
アウェーでは身体負荷が高く。
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ただ、だからと言って、無観客試合においてホーム&アウェーの有利不利がなくなったわけではありません。
いまだにウイルスの猛威が懸念されるドイツでは各地域への移動にある程度の制限があり、宿泊施設なども通常時の営業状況には戻っていません。その結果、バイエルンはアウェーゲームの際は試合当日に会場入りし、試合後もすぐさま地元に戻る強行軍で戦っています。
優勝を決めたブレーメンとのアウェーマッチは現地時間20時30分キックオフでしたが、お昼のテレビでは小雨が降るミュンヘンのクラブハウスからチームバスが出発するライブ映像が映し出されていました。
ドイツ南部のミュンヘンからドイツ北中部のブレーメンまでは約750キロ以上の距離があるわけで、おそらくチャーター機で移動したものと思われますが、その移動負荷は非常に高かったことが容易に推測できます。それでもバイエルンは熾烈な残留争いを戦うホームチームを1-0で捻じ伏せてしまうのですから、その強者ぶりがうかがえます。