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川島永嗣が語ったW杯、五輪、引退。
「人生って思った通りにはいかない」
posted2020/06/18 11:40
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
新型コロナの影響で、欧州5大リーグの1つに数えられるフランスリーグは中止を決めた。他国を見るとドイツ、スペインはすでに再開、イタリア、イングランドも間もなくその時を迎える。フランスでは一時的な活動自粛期間を経て、試合はないが練習は再開されており、オランダなどと同じ状況だ。
こうした流れの中で、川島永嗣がとても気になった。大丈夫だろうかというより、興味があったという意味のほうが近い。
中断時点で、川島の'19-'20シーズンの出場はゼロだった。ベンチ入りの機会も少なく、リーグ戦27試合で1試合だけ。RCストラスブールはヨーロッパリーグ予選を1試合、リーグカップも2試合戦ったがベンチ入りはしなかった。
フランスカップは3試合中2試合でベンチに入ったが出場はなし。それでも、日本代表には再びコンスタントに招集されるようになり、欧州での挑戦を続けている。そんな彼が今何を考え、何を見据えているのか、その言葉に耳を傾けてみたいと思った。
――フランスでの外出禁止はどうでした? 比較的大変だったという印象です。
「(筆者の住む)ドイツとかに比べたら厳しかったですけど、イタリア、スペインほどじゃないですけどね。ランニングオッケーだったし、健康目的の散歩とかそういうのはオッケー。許可証を持っていればですけど」
――許可証というのが、また手間ですね。
「最初の頃は政府から送られてきたものをダウンロードしてプリントアウトしてたんですよ。そのうちに、紙じゃなくて携帯で入力してバーコードみたいの持ち歩けば大丈夫になったので、楽になりましたけどね。外に出るのはめんどくさかったですし、あまり外出自体したくなかったのでほぼ家にいました。たまに外に出ても、人が全くいなくてお店も開いてないし、もうほんと映画の中で廃墟を歩いてる感じでした」
――生活自体はどうでした? 変化はありました?
「生活の流れは普段とあまり変わりませんでした。トレーニングして、あとは家族と過ごすという感じで」
――そういう選手は多いようですね。
「やっぱり、家族がいる人は救われたと思いますよ。一人暮らしの人は大変だったのかなと。トレーニングするのも、やっぱり自分で頑張らないと動き出せないじゃないですか。家族がいるとやる時間を決めて、メリハリをつけやすいかなと」
――それでも、1人で自宅でのトレーニングは、きつそうです。
「うーん、でも結構1人でやるほうが好きなんですよ。チームのビデオトレーニングだと、トレーニング器具をあまり持っていない人がいたり、ペースも合わせなきゃいけないし。自分は自分の環境で普段からやっていたのもありますし。
あと、僕はトレーニングもただコンディションを維持するだけとか、ただ追い込むだけとかいうのはできないタイプで、シーズンが再開するとか来季に向けてどういう目的をもってやるか、というのが必要なんです。そういう意味でも、個人でやってるほうが集中してやれるかなと」