炎の一筆入魂BACK NUMBER
野村祐輔、9年目で初の二軍スタート。
良いものをより良くする方が難しい。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2020/06/13 09:00
プロ入りから8年間で71勝、昨季はFA権取得も2年契約で残留した。
感覚のズレはあるが、光は見える。
とはいえ、リスクを恐れては次のステージに上がれない。今春キャンプ序盤のケガは、体重増の反動もあったが、進んでいる道程に間違いはないと信じている。
「リスクはもちろんあるので、良かった部分も悪かった部分もある。それをうまく自分のプラスになるようにと改善している。まずは知る事は大切。人で試すことはできないので、自分で試すしかないですから」
3月11日の実戦復帰から計2度目の中継ぎ登板を経て、自粛期間に入った。開幕メンバーが絞り込まれる6月上旬、6日の二軍対外試合(対阪神二軍)に登板した。昨年9月12日中日戦以来の先発で、4回6安打3失点の再出発となった。
「自分の想像していたフォームと、試合になると変わってくるところがある。ブルペンではできていても、いざ試合となると違う」
感覚にはまだズレがある。昨年とは正反対のスタートも、その先に差す光は見えている。
「本当あとちょっとなんですよ。そこさえクリアできれば、自分の中で行けると思える」
雨が上がって晴れたときにこそ、虹はかかるのだ。