2年で戦力外、独立リーグを経て。

　2012年、市立和歌山高から育成ドラフト4位で広島東洋カープに入団した。しかし、プロ1年目の夏に右膝を痛めてからは、リハビリと再発を繰り返し、これといった実績も作れないまま、在籍わずか2年で戦力外通告。その後は独立リーグを渡り歩いた。

　NPBに復帰したのはそれから4年後、千葉ロッテ鴨川秋季キャンプで行われた入団テストに合格してからだ。背番号は「61」。同じ独立リーグからプロに入団し、その後大きく羽ばたいた角中勝也の背番号を譲り受けた。

「一軍にいた80日間で、試合の雰囲気、こういう空気の中で試合前の準備をしているんだってことは掴みました。もちろん二軍にいたときから分かっていたつもりですが、改めて感じる部分があった。たとえば走塁ひとつとっても、絶対にミスが許されない雰囲気の中で、80日間やれたことは僕にとって凄い財産。良い経験になりました」

初球への準備と意識に変化。

　堀二軍打撃コーチのアドバイスを受け、彼が取り組んだこと。それは初球から自分の全力を出せるよう準備そして意識を整えていこうということだ。

「そういう意識でやらないと（一軍では）やられてしまう。ファームだと1試合4打席くらい回って来ますけど、逆にいつも4打席ももらっていると気付かなくなることもある。そこを変えていきたい。一軍の代打は1打席で結果も残さなきゃいけないし、同じアウトになるとしても、ある程度次に繋がる内容のあるバッティングをしなければいけない。初球を見逃して『あっ、見逃した。2球目振りにいかなきゃ』と思って、次のボールに手を出す。それがファールになって追い込まれたら、もう受け身になってしまうわけじゃないですか。

　そういう意味で堀さんが『3球しかない』と言った意味が分かりました。今は真っ直ぐを待って、浮いてきた変化球に対して、どれだけ自分が全力で振っていけるかを練習、そして実戦を通してやっていこうと考えています」

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