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マキロイは誰よりも再開に積極的。
「ツアー再開できない理由がない」 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2020/05/16 09:00

マキロイは誰よりも再開に積極的。「ツアー再開できない理由がない」<Number Web> photograph by AFLO

プレーヤーズ選手権に出場し、1日目を終えたところでマキロイのプレーも中断。彼はゴルフに飢えている。

米ツアーにおける「ニュー・ノーマル」。

 選手は現地への出発前に事前の検査(問診や検温)を受け、現地ホテル到着後はPCR検査が義務づけられる。結果が出るまでには24時間から48時間を要し、その間も試合会場での練習はできる。

 しかし、陽性反応が出たらすぐさま隔離。必然的に試合に出ることはできなくなる(原則として、ツアーは陽性になった選手名は公表しない)。

 そして、試合会場ではハイファイブも握手もハグも全員禁止。ミラクル・ショットやミラクル・パットにも静かに喜び合い、ウイニングパットを沈めて勝利を決めた瞬間に選手とキャディが涙の抱擁というドラマチックなシーンも、しばらく目にすることはできなくなる。

 いやいや、優勝が決まった瞬間のみならず、毎日、毎ホール、毎ショットのたびに選手とキャディがクラブを手渡しすることも禁止され、これからは選手が自分でゴルフバッグからクラブを抜き、自分でゴルフバッグへ戻しながらプレーすることが求められる。

 それが、当面の米ツアーにおける「ニュー・ノーマル」になる。

チャリティマッチの賞金は寄付予定。

 6月のツアー再開に先駆けて、マキロイは今週末の17日、フロリダ州のセミノールGCで開催されるチャリティマッチに挑もうとしている。

 このチャリティ・マッチは、テーラーメイド・ドライビング・リリーフと名付けられたスキンズ・マッチだ。マキロイはダスティン・ジョンソンとペアを組み、リッキー・ファウラー&マシュー・ウルフのペアと対戦する。獲得賞金は全額、コロナ禍で疲弊している医療関係者などへの緊急支援として寄付される。

 チャリティを目的としているマッチではあるが、ゴルフの「ニュー・ノーマル」を実戦で体験する好機にもなると言えそうだ。

 無観客で行われ、TV中継で解説を務めるポール・エイジンガーもアナウンサーのマイク・トリコもリモート出演となる。会場入りする全員にPCR検査や問診、検温が行なわれるなど、このチャリティ・マッチは、ある意味、米ツアー再開前の予行演習にもなりそうである。

「いろんなことに十分に注意を払い、フェースカバー(マスク)をして、頻繁に手を洗って消毒し、ソーシャル・ディスタンスを保っていけば、試合を行うこと、プレーすることは可能なはずだ」

【次ページ】 自分に言い聞かせるような「可能」。

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