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私のJ最強クラブ。ポンテが微笑み、
指揮官ギドが叫んだ'06年浦和の衝撃。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/05/14 20:00
歓喜の瞬間、両手を挙げて喜びを表したギド・ブッフバルト。スタジアムに詰めかけたサポーターへ感謝の言葉を述べた。
「有言実行」の初優勝。
ホームゲームでは前年から21試合無敗のリーグ新記録を打ち立てていたが、21分に先制され、最悪のシナリオも頭をよぎる苦しい展開に。嫌な流れを変えたのは、攻撃の2枚看板だった。27分にワシントンのパスを受けたポンテがドリブルシュートを決めて同点。44分にはポンテのセンタリングをワシントンが合わせて逆転した。
59分にワシントンが得点王を引き寄せるシーズン26得点目を決めて3-1とし、優勝の行方は決した。その後に1点を返されたものの、大勢は変わらない。試合終盤には観客数が発表され、当時リーグ戦史上最多、現在でも史上3位となる6万2241人の数字にスタジアムがどよめく。
やがて初優勝を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響いた。22勝6分け6敗の勝ち点72、リーグ4位の67得点に、リーグ最少の28失点。ホームゲーム15勝2分けの勝率10割は史上初で、現在でも唯一の記録だ。圧倒的な個の力を組織力でまとめ上げ、『有言実行』の初優勝を成し遂げたブッフバルト監督は、マイクを向けられると開口一番、日本語で叫んだ。
「ウラワレッズハ、イチバンデス! サポーターノミナサン、アリガトウゴザイマシタ!」