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ジェラード悪夢のスリップから6年。
リバプールに再び不運、それでも。 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byGetty Images

posted2020/04/27 11:30

ジェラード悪夢のスリップから6年。リバプールに再び不運、それでも。<Number Web> photograph by Getty Images

ジェラードが肩を落とす姿には、多くのフットボールファンが心を痛めた。偉大な主将の無念を晴らす機会をクロップ・リバプールは得られるか。

たったあと2勝で……なのに。

 うち3試合がBIG6との対戦(アーセナル、チェルシー、マンチェスター・C)ということを考慮しても、これまで見せてきた快進撃からすると、新記録を作る可能性は十分にある。

 プレミアリーグ発足以降リーグタイトルのないリバプールにとって、初戴冠、そして2つの偉大な記録樹立という、願ってもいない最高のシナリオが待っていた。

 しかし、こうも上手くいかないものなのか?

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 プレミアリーグでもはや敵なしの状態だったリバプールの前に立ち塞がったのは、新型コロナウイルス。中国武漢市で発生したCOVID-19は瞬く間に世界中に感染拡大し、ウイルスの魔の手は島国イギリスにも及んだ。

 各国リーグが延期を次々と発表する中で、一時はリーグ続行を決めていたプレミアリーグも、3月13日に全ての公式戦の延期を発表。続報による現状は無期限中断ということだが、先行きが不透明な今の状況では、リーグ打ち切りということにもなりかねない。

 たったあと2勝、もう手の届くところまできていた念願のプレミアリーグトロフィーは、見えざる敵によって阻まれようとしている。

優勝目前、チェルシーとの直接対決。

 ちょうど6年前、リバプールは同じような悪夢を見た。

 ブレンダン・ロジャース政権で最もプレミアのタイトルに近かった2013-14シーズン。“あの”試合を迎えるまでのリバプールは、リーグ戦11連勝、2014年に入って以降の16戦で負けなしと、今季に負けず劣らずの快進撃を見せていた。第34節では優勝争いのライバル、マンチェスター・Cとの直接対決を3-2で制しており、残り3試合を2勝1分で終えれば自力での優勝が決まる好条件だった。

 そんな中で行われた、同じく優勝争いのライバルであるチェルシーとのホームゲーム。リバプールは試合開始直後からボールを握り、チェルシーが引いて守るという展開が続いた。

 レッズがなかなかゴールをこじ開けられずに前半が終わろうとしていたところで、あの不運な悲劇が起きた。

【次ページ】 圧倒的にポゼッションしたのに。

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