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ジェラード悪夢のスリップから6年。
リバプールに再び不運、それでも。 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byGetty Images

posted2020/04/27 11:30

ジェラード悪夢のスリップから6年。リバプールに再び不運、それでも。<Number Web> photograph by Getty Images

ジェラードが肩を落とす姿には、多くのフットボールファンが心を痛めた。偉大な主将の無念を晴らす機会をクロップ・リバプールは得られるか。

クラブを去ったが終わりではない。

 リバプールのアカデミーで育ち、トップチームでもそれまでレッズ一筋を貫いてきたクラブの象徴であるからこそ、彼がプレミアリーグのトロフィーを掲げる姿を見たいとファンの誰もが願ったはずだ。

 それに“スリップ”という不運が、首位からの陥落、手にするはずのトロフィーを失うという現実とどうしても重なり合ってしまう。クラブが、ジェラードが切に欲してきたタイトルを目の前で掴み損ねたからこそ、この状況を描写したシーンが人々の記憶にこびりついているのかもしれない。

 いずれにせよ伝説のキャプテンはリーグトロフィーを手にすることなく、翌シーズン後にクラブを去ったのだ。

 ――いや、これで終わりではない。

 ジェラードの現職はスコットランド1部・レンジャーズの監督だ。余談ではあるがレンジャーズにはかつて代表で共闘したジャーメイン・デフォーが所属している。

 ジェラードの任期は2024年まで。リバプールのユルゲン・クロップ監督の契約も同じく2024年までであり、彼の後任に据えることが既定路線ともいわれている。

いずれアンフィールドでトロフィーを。

 リバプールが今季トロフィーを手にするかどうかは分からない。

 順位表の上では大勢が決しているにもかかわらず、だ。優勝が懸かった場面では何かと不運続きだ。それでも今のリバプールは紛れもなくプレミアリーグの最強クラブであり、このチームをジェラードが引き継ぐ時が必ずやってくるはずだ。クラブもファンもそれを望んでいる。

 いずれ戻ってくる。そしてアンフィールドでプレミアリーグのトロフィーを掲げる時が来る。それがキャプテンマークではなく、ネクタイをつけた姿だったとしても、レッズファンにとっては本望だろう。

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