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昨年1番人気で6着の雪辱なるか。
大阪杯の焦点はブラストワンピース。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/04/03 19:00
AJCCを快勝して大阪杯に臨むブラストワンピース。550kgに迫る巨体を揺らし、大竹師にGI2勝目をプレゼントすることができるか。
独自のローテーションを歩んで。
こうして初めての黒星を喫したブラストワンピースを、大竹調教師は夏の新潟記念(GIII)に出走させた。3歳馬が、それもダービーで上位人気に推されるような馬が夏場の古馬もまざるハンデ戦の重賞に使ってくるのは非常に珍しい事。しかし、大竹調教師は「おかしな事とは思わない」と微笑みながら語った。
「3歳という事でハンデもそれほど背負わされないし、この後、考えている菊花賞までは充分に間隔がある。新潟記念を使う3歳馬があまりいない方が不思議なくらいでした」
結果、ブラストワンピースは後方から古馬勢を一蹴。単勝1.8倍の圧倒的人気に応え、菊花賞へ向かった。
菊花賞も1番人気に支持された。しかし「スローペースでラスト200メートルしか走っていない感じ」(大竹調教師)の消化不良といえる競馬で、追い上げも4着までに終わった。
有馬記念を制して臨んだ昨年だったが。
「ほとんど走っていないからダメージもありませんでした。だから有馬記念に挑戦する事にしました」
これが奏功する。
「この時はあまり細かく考えるのではなく、基本にかえって一つ一つの仕事をしっかりやろうと厩舎の皆で話し合いました」
例えば引っ張って歩くだけでも、約束事を確認し、徹底した。その結果「デビュー以来、最高と思える状態」(大竹調教師)となったブラストワンピースはこの年末の大一番を見事に優勝。グランプリホースになると共に、ついにGIホースとなったのだ。
こうして古馬となった昨年の大阪杯では「スローで追い込み切れず」(大竹調教師)6着に敗れると、続く目黒記念はレコードタイムでの決着となり、8着。大竹調教師は述懐する。
「ハンデを背負っていた(59キロ)し、この日は極端に暑い日になって発汗が目立ちました。正直、レース前から嫌な雰囲気はありました」