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昨年1番人気で6着の雪辱なるか。
大阪杯の焦点はブラストワンピース。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/04/03 19:00
AJCCを快勝して大阪杯に臨むブラストワンピース。550kgに迫る巨体を揺らし、大竹師にGI2勝目をプレゼントすることができるか。
復活の札幌記念と屈辱の凱旋門賞。
しかし、一息入れると、夏には復活した。ここで恥ずかしい競馬をしない限り、フランスの凱旋門賞に遠征するというつもりで臨んだ札幌記念(GII)で、強敵のサングレーザーやフィエールマンを相手に先頭でゴールに飛び込んでみせたのだ。
勇躍、海を越え、凱旋門賞に挑戦するためにイギリスのニューマーケットに入った。そして、本番直前にフランスへ輸送。ヨーロッパ最高峰の2400メートル戦に挑んだ。しかし、結果は思わぬ惨敗に終わった。
12頭立てのブービー11着。後ろにはやはり同じく日本から挑んだフィエールマンしかいなかった。当時、指揮官は唇を噛みしめながら言った。
「当日、気合いが乗り過ぎるくらいになるのはいつもの事で心配はしていませんでした。仕上がりは良かったと思います。それでもこういう結果になってしまったので、考えないといけないけど、ただ、敗因は何か紙一重の事であって欲しいです」
AJCC優勝も「もっと良くなる」。
凱旋門賞の後は、ひと息入れた。前年に制した有馬記念の連覇も目指さず、初戦は年が明けてから。1月26日に行われたアメリカジョッキークラブC(GII、中山競馬場、芝2200メートル)とした。
そして、フランス遠征のダメージを払拭したと証明出来る競馬で優勝。しっかりと復活したかと思えたが、レース後、指揮官は少し首を傾げて次のように語った。
「まだ気持ちが先行している感じがあります。このひと叩きで次はもっと良くなってくれると信じています」
果たして、実際「そのあたりは良くなってきた」と言う。4月1日には、最終追い切りを終えた。
「先々週まではまだ動きがドタドタした感じだったけど、先週、今週と思った以上に良い動きをしてくれました。2000メートルは一番、合っていると思うので期待しています。今年は無観客なので複雑な気持ちで臨む事になりますが、皆さんを元気づけるような結果を残したいです」
昨年は1番人気に応えられなかったこのレースだが、雪辱を果たす事は出来るだろうか。注目したい。