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日本人はスケープゴートにされやすい!?
中山雄太がオランダで味わう緊張感。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byGetty Images
posted2020/03/27 11:30
“助っ人”としてオランダのチームにいる中山雄太には、言い訳をしている暇はない。求められているのは結果だけなのだ。
ミスをしても「恐れはない」。
この雨中のフェイエノールト戦で、3バックの左CBとして出場した中山は、フィテッセ戦のような個人的かつ致命傷に至りかけた「ミス」を犯したわけではなかった。
だがズウォーレはチームとして守備戦術が機能せず、オランダ代表にも名を連ねるベルハイスを自由にやらせてしまう。そこから、敵の主将に2ゴール1アシストの活躍を許していたのだ。
強豪相手だと、普段出来ていたことが、通用しなくなってしまう。格上相手だと、それまで「ミスに見えていなかったものがミスとして露呈して」しまう……。
「相手云々よりも、自分たちがいつも出来ていることを継続できるかが、大切だと思いました。もちろん敗戦に対して落ち込んでいる選手もいましたし、僕自身も悔しいです。そこはでも、このフェイエノールト戦が次に繋がるような一戦になればと思います」
「ミス」は恐れるべき、敬遠すべきものなのだろうか。
敗戦に直結しかねないあまりに明白な「ミス」を犯した選手は、時としてチーム内での居場所を完全に失う。
だが、中山は「恐れはない」と言う。
「1つのミスで代えられる」
新型コロナ・ウイルスの影響でエールディビジが中断に入る前の最後の試合となった、3月6日の第26節フォルトゥナ・シッタルト戦。前節フィテッセ戦の「パスミス」が響いたことで、後半70分からの途中出場となったが、中山は、きっぱりと言った。
「恐れはないですけど、(前節の失敗が)事実としてあると思います。その、事実として、1回のミスで代えられることはあると思います」
そして冗談交じりに、苦笑しながら言う。
「他の選手が10回ミスして代えられるところを、僕が1回のミスで代えられるところは、絶対にあると思います(笑)。それは、自分が文句を言おうと思えば言えるし、不満も言えますけど、でも結局は自分が原因で代えられている状況なので……そうですね、他人に左右されるのではなくて、自分自身にずっとフォーカス続けて生活しているので、そのスタンスは崩したくないと思います」