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首里城再建の大会は流れたけど……。
上原彩子ら沖縄女子プロの心意気!
posted2020/03/17 11:30
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
首里城といえば、沖縄県出身の上原彩子は自身の亡父の美代志さんのことを真っ先に思い出す。
「(生前の)父は『首里城の友の会』の会員だったので、定期的に首里城にその会のために訪れ、そこで学んだ沖縄の歴史など色んなことを家族に話してくれました。首里城だけではなくて、沖縄には“グスク(お城)”がたくさんあるので、子供の頃は週末に父とグスク巡りをしたことも良い思い出です」
プロゴルファーとなった今では、故郷で試合がある時にアメリカ人のエースキャディを首里城に連れて行ったりするなど、県外の来客を必ず案内する観光地であった。
故郷のシンボルで、身近に感じるグスク――そんな首里城が一夜にして喪失した。昨年10月31日、火災によって正殿など7棟が焼失してしまった。
その速報を耳にした上原はショックを受けた。
「首里城がああいう形になってしまって、すごく無力感を感じました」
プロ18年目にして初めての試みを。
だが、上原はすぐ「(首里城)再建のために何かできることはないだろうか」と考え始めたという。
「より多くの人が関心を持って協力しようと思ってくれるにはどうしたら……」と、考え抜いて「首里城だから、沖縄の選手が集まってチャリティゴルフ大会をしたらどうだろう」と思い至った。
過去に1人でチャリティコンペを企画したことはあったが、沖縄の多くのプロゴルファーに声かけをしていって、大きなイベントを開催するということは、日米通算プロ18年目で上原自身初めての試みだった。