Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
<2014女子プロゴルフ展望> 新女王・森田理香子に立ちはだかるライバルたち。
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byToshiya Kondo
posted2014/03/13 11:30
更なる飛躍のため周到な準備をし、新シーズンを迎えた。
若き女王の好敵手は誰なのか。熱い女たちの戦いを占う。
2014年のLPGAツアー、国内女子プロゴルフが開幕した。昨シーズンは終盤で逆転に次ぐ逆転で大いに盛り上がった賞金女王争い。激戦の末に誕生した“新女王”森田理香子は、新たなシーズンをどう戦うのか。
立ちはだかるライバルは、やはり横峯さくらなのか。熱き女たちの戦いを占ってみる。
「女王」。そう呼ばれる重圧とは、いかなるものなのか。
この1月に24歳になった森田は「本当にいろんなことがあった。苦しいことも、楽しいことも。一言で表すとしたら、大変な一年だった」と、昨シーズンを振り返る。初体験の賞金女王争いに、苦しんで、もがいて、最後の最後にやっと笑えた、激動のプロ6年目。戴冠の日から、まだわずか3カ月しか経っていないが、新シーズンのフェアウェイを歩く森田の立場は大きく変化した。
「年女。(今年を)どんな一年にしたいかというと……苦労しまくります、たぶん! 自分でそう思ってます。今年はつらいことが多いんじゃないかなぁ、って」
「世界中の誰が見ても、一番と思われるプレーヤーに」
森田は、そんな覚悟をしている。
「私、ここまですごく人生うまくいってるんです。生まれて、ゴルフに出合って、(足立)香澄さん、岡本(綾子)さんに教えてもらって。環境にも、全部恵まれてて。トントン拍子に賞金女王にもなって。やっぱり、いいことがあれば、必ずつらいことはあると思う」
だが、彼女にとって国内賞金女王がゴルフ人生の最終目標ではない。あくまでも「世界中の誰が見ても、一番と思われるプレーヤーになる。あいつには敵わない、そう思われる存在になる」のが、森田の目指すところ。だからこのシーズンオフも年末以降は、取材やイベント、テレビ出演などの仕事を一切断り、スイング作り、体作りに専念してきた。
開幕直前の2月18日から10日間は、アメリカのフロリダ州タンパで、師匠の岡本、同門の表純子、服部真夕らとチーム合宿を行ない、ゴルフの調整と、何より大事な心の充電を済ませてきた様子だ。