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ディープの仔が“ディープ記念”制覇。
武豊も認める父似のサトノフラッグ。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/03/13 07:00
皐月賞の出走権を獲得したサトノフラッグだが、武豊にはお手馬マイラプソディもいる。本番は果たしてどちらに騎乗するのか。
4コーナーでは大外からひとまくり。
ゲートはスムーズに出たが、道中は後方に控えた。そして3コーナーあたりから外を回って進出。後方一気の末脚で知られるディープインパクトだが、中山競馬場で走る時は彼もこのあたりから上がって行くのが常だった。武豊騎手は述懐する。
「そうですね。小回りなら道中で動けました。サトノフラッグも同じような感じで上がって行ってくれました」
4コーナーでは大外からひとまくり。前にいた1番人気のワーケアにフタをするようにして、相手を封じつつ、直線に向くと先頭に立った。
「全くササるような素振りは見せませんでした。しっかりと真っ直ぐ走ってくれました」
結果、2分2秒9の時計で皐月賞(GI)へ向けたトライアルレースを快勝してみせた。2着のワーケアにつけた差は1と4分の3馬身。父のディープインパクトが弥生賞を勝った時、2着のアドマイヤジャパンとの差は僅かにクビだった。
これをもって父より完成度で優っているというのは少し違うが、皐月賞と同じ条件でこれだけ完勝出来た事は、間違いなく本番でも期待を抱かせる内容だったと言って良いだろう。
武豊には他にもお手馬が。
「皐月賞はもちろん、その先のダービーでも好勝負が出来る。それだけの素質を持った馬だと感じました」
日本のナンバー1ジョッキーはレース後、淡々とそう語ってみせた。
さて、唯一ディープインパクトの乗り味を知るジョッキーから「お父さん似」のお墨付きをもらったサトノフラッグだが、果たしてクラシック本番でも引き続き天才ジョッキーが乗ってくれるかどうかはまだ分からない。
衰え知らずの武豊騎手には他にもお手馬がいるので、現段階ではまだどの馬とコンビを組んでクラシック路線を歩むのか、はっきりとした発表はされていないのだ。