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武豊が快勝、日本馬は1勝&2着2回。
未知のサウジ遠征は偉大な一歩だ。

posted2020/03/06 07:00

 
武豊が快勝、日本馬は1勝&2着2回。未知のサウジ遠征は偉大な一歩だ。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

武豊は日本人騎手としてサウジアラビアで初勝利。新たな金字塔を打ち立てた。

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 現地時間2月29日、サウジアラビアでは初めてとなる大規模な国際レースが施行された。

 リヤドにあるキングアブドゥルアジーズ競馬場が舞台となり、メインのサウジカップは総賞金2000万米ドル(約21億4660万円)、1着賞金1000万米ドル(約10億7330万円)。日本からもクリソベリル(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)とゴールドドリーム(牡7歳、栗東・平田修厩舎)の2頭がこの世界最高賞金額レースに挑戦した。

 また、同じ日に行われた他のレースにも3頭の日本馬がその出馬表に名を連ねた。

 この日は全部で8レースが行われたが、その幕開けとなったのが芝2100メートルのモハメドユスフナギモーターズC。今春、完成したばかりの芝コースでサウジアラビア初の芝でのレースとなったここには、日本馬のディアドラ(牝6歳、栗東・橋田満厩舎)が出走した。

断然の人気を背負ったディアドラ。

 昨春のドバイ(GI・ドバイターフ4着)へ遠征したのを手始めに、以来、日本に帰る事なく、香港、イギリスで2戦、アイルランド、再びイギリス、再び香港と渡り、今回は初めてサウジアラビア入りをした。

 ご存知のようにこの間のベースはイギリスのニューマーケット。昨年の夏にはイギリスのグッドウッド競馬場で行われたナッソーS(GI)で見事に優勝してみせた。

 今回は9頭立ての予定が1頭取り消して8頭に。地元サウジアラビアやバーレーンの馬の他、アイルランドやフランス、ドイツからの遠征馬もいたが、いずれも格的にはディアドラよりだいぶ下。

 例えばフランスから遠征してきたインテロジャントにしてもGIを制したのは2018年の話であり、以降は不振といえる成績。正直ここは楽勝まであり得るのではないか? と思えるメンバー構成だった。

 実際、イギリスのブックメーカー(私設の馬券発売会社)は単勝1.3倍や1.5倍といったオッズを軒並み示していた。

【次ページ】 アタマだけ届かず、よもやの2着。

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