熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ロナウジーニョ逮捕劇の一部始終。
40歳誕生日はパラグアイ留置所か。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byREUTERS/AFLO
posted2020/03/10 20:30
パラグアイでの取り調べ後のロナウジーニョ。サッカーファン誰もがこんな姿を見たくなかったはずである。
女性トラブルに土地家屋税滞納の噂も。
女性関係のトラブルもある。
2012年からあるブラジル人女性と恋愛関係にあり、同棲していたのだが、2016年から別の女性とも交際を始め、以後、3人で一緒に住んでいた。ブラジルでも重婚は違法だが、「事実上の重婚状態にある」と物議を醸した。
その後、3人は破局を迎え、ロナウジーニョは、最初の女性から「6年間、事実上の婚姻関係にあった」としてこの間の収入の3分の1の支払いを求められている。
また、「18Kロナウジーニョ」というデジタル通貨のねずみ講の会社のオーナーの1人としてこの会社の宣伝に協力しており、他のオーナーと共に、被害者150人から総額3億レアル(約68億円)の損害賠償を求められている。
これについて、ロナウジーニョ本人は「自分はオーナーではない。広告塔を務めただけ」と抗弁している。
偽のパスポートを使った事実。
経済的にも困窮しているという噂もある。
現役引退後も相当な収入があったようだが、出費も多く、一時は57の不動産を保有していたがその相当数の不動産の土地家屋税を長年滞納しており、それが罰金と利子を含めて約1800万レアル(約4億7000万円)となった。
ポルトアレグレ市がこれらに不動産を差し押さえ、市当局が彼の銀行口座の預金も差し押さえようとしたところ、口座には約25レアル(約640円)しかなかったという。
その後、市と交渉し、土地家屋税の支払いを750万レアル(約2億円)まで減額してもらい、それを60回分割で払うことで合意している。
2人がブラジルのパスポートとIDカードを所持していながら、なぜあえてパラグアイのパスポートを使ってパラグアイに入国しようとしたのか、現時点では明らかにされていない。
ともあれ、2人が偽のパスポートとIDカードを所持し、それらを使って入国したのは事実だ。この事件の背後にはこれらの公文書を偽造した犯罪組織があるはずで、しかも2人には他の犯罪への関与も疑われているとなると、微罪では済まない可能性がある。