熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ロナウジーニョ逮捕劇の一部始終。
40歳誕生日はパラグアイ留置所か。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byREUTERS/AFLO
posted2020/03/10 20:30
パラグアイでの取り調べ後のロナウジーニョ。サッカーファン誰もがこんな姿を見たくなかったはずである。
巨額の脱税に関わっていた人物。
この女性は、巨額の脱税、マネーロンダリングなどに関与した容疑で捜査されていた疑惑の人物だった。ロナウジーニョとアシスにも、彼女と共謀してマネーロンダリングなど他の犯罪に関与していた可能性が浮上した。
この日の午後、2人はアスンシオン郊外のホテルから空港にほど近いホテルへ居場所を移し、深夜の飛行機でブラジルへ逃亡しようとしていた。しかし、この動きを察知した警察に逮捕され、留置所に収監された。
7日も約7時間の取り調べを受け、引き続き留置所に入れられた。
パラグアイ警察は、ロナウジーニョとアシスのパスポートとIDカードの本来の持ち主であるパラグアイ人女性2人を逮捕し、ダリア・ロペスにも逮捕状を発行した(彼女の弁護士は、「9日、警察に出頭する」と語っている)。
8日は日曜日で、取り調べはなく、2人は終日、警察の留置所で過ごした。
9日にダリア・ロペスが警察に出頭すれば、彼女の取り調べが始まる。ロナウジーニョとアシスも、これと並行して引き続き取り調べを受けることになりそうで、当分の間、パラグアイから出国できそうにない。
3月21日、ロナウジーニョは40回目の誕生日を迎える。ブラジルのメディアは「誕生日はパラグアイの留置所で迎えることになるだろう」と報じている。
引退後、私生活でトラブルが頻発。
ロナウジーニョは2018年、37歳で現役を引退した。しかし、その後も世界各国で開催されるイベントや記念試合などに参加している。職業は「フットボール伝道師」であり、現役引退後も「ロナウジーニョ」を演じることで生計を立てている稀有な存在だ。
しかし以前にも記したが、近年、私生活ではトラブルが頻発している。
故郷ポルトアレグレ郊外の湖畔にアシスと共同で土地を購入し、2009年、敷地内に桟橋などを建設した。これらの建造物が環境保護法に違反しているとされ、罰金を科されたのだが、これを支払わず、建造物の撤去命令にも応じなかったため、2018年9月、2人はパスポートを没収されてしまった。
昨年9月、巨額の罰金を支払うことを条件に、ようやくパスポートの再交付を受けた。