欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
日本の子供サッカーは練習しすぎ?
休息と広い世界、ドイツの指導法。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/03/08 11:40
「一意専心」を美しいと考えがちな日本だが、ドイツなど諸外国のアプローチも参考にしてみる必要性があるだろう。
別の角度から学び直す絶好の機会。
顧問や指導者が担当すると負担が増えるので、そこは生徒同士が教え合うようにしたら面白くなるのではないだろうか。どこの部活動でも新入生勧誘の時期には「興味を持ってもらおう」「初心者にも丁寧に教えよう」と試行錯誤するものだ。
そうした姿勢をそのときだけにしないで、年に何回かは“交流デー”があってもいいのではないか。
子どもたちにとっても、知っているはずのことを別の角度から学び直す絶好の機会になる。自分にとっての当たり前が、誰かにとっては当たり前でないことを知るというのは、とても新鮮な経験なのだから。
「ここは日本だから」、「それはドイツでのことだから」と思考を止めずに。「これまでがそうだったから、これからも」ではなく、「どうすれば彼らがより成長する環境を整えることができるだろう」という視点を持ち続けるべきだ。
育成には“これだけやれば大丈夫”という虎の巻はない。
だからこそ、教育・指導に携わる人間には常に成長が求められている。