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ヤクルト奥川恭伸はなぜこの本を?
『座右の書「貞観政要」』を読む。 

text by

長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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photograph byKYODO

posted2020/03/09 11:00

ヤクルト奥川恭伸はなぜこの本を?『座右の書「貞観政要」』を読む。<Number Web> photograph by KYODO

キャンプで投げ込むヤクルト・奥川。昨季、防御率4.78とセ・リーグで大差をつけられての最下位だった投手陣の救世主になれるか。

18歳にして自らの責任を自覚?

 キャンプ中に『貞観政要』を手にするぐらいだから、「(1)読書」はすでにクリアしている。また、秋季キャンプ見学に訪れた際に、奥川君はせっせとメモを取っていた。これで「(2)文章」も大丈夫だ。そして、持ち前のまばゆいばかりの笑顔で、すでに先輩選手たちから可愛がられているので、「(3)人との交流」もクリア。もう、奥川君には明るい未来しかないではないか! 

 18歳にして、彼が「リーダー論」を学んでいるのは、弱体投手陣をけん引するべく、自らの役割と責任を重々自覚しているからに他ならない。

 だからこそ、彼は率先して『貞観政要』の教えを取り込もうとしているのだ。

 もちろん、身勝手な妄想である。しかし、5年後、いや3年後、いやいや1年後の今頃、「奥川君のリーダーシップはすばらしい」と、感嘆する日が来るだろう。

 答えは1年後に出る。そんな問いもある。それでいいではないか。

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