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“たかがリーグ杯”3連覇の大偉業。
揺れるマンCで輝く19歳フォデン。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byGetty Images

posted2020/03/08 09:00

“たかがリーグ杯”3連覇の大偉業。揺れるマンCで輝く19歳フォデン。<Number Web> photograph by Getty Images

下部組織出身でグアルディオラ監督の期待も厚いフォデン。今回のリーグカップ決勝で見せたプレーを続ければ、将来の軸となれるはずだ。

リバプールと過去3季の成績を比較。

 今季のプレミアで圧倒的な存在は、リバプールに他ならない。

 ユルゲン・クロップ就任5年目のチームは、2月29日の第28節ワトフォード戦でまさかの黒星を喫するまで、開幕からのリーグ戦27試合を26勝1引分けという驚異的ペースで、30年ぶりのリーグ優勝へと爆進している。

 ただし、グアルディオラ体制4年目のシティも安定感では引けを取らない。

 プレミア連覇を果たした昨季までの3シーズンと今季第27節までのリーグ戦141試合の成績を見ると、リバプールは315得点119失点の99勝、勝ち点327。シティは349得点118失点の105勝、勝ち点333とわずかに上回っている。

 ウェンブリーでの90分間も、ハイレベルで一貫した強さを改めて感じさせるパフォーマンスだった。

 アストンビラは、昇格チームの1つでリーグ下位の格下ではあった。しかし“一発勝負での順当勝ち”が容易ではないことは、マンチェスター・ユナイテッドが際どくサウサンプトンを下した3年前の決勝からも明らかだ。

7割近くボールを支配して勝ち切る。

 その点、シティは前半30分までにセルヒオ・アグエロとロドリゴのゴールで2-0とリードを奪うなど、昨季FAカップ決勝でワトフォードに6点差をつけた大勝の再現すら予感させた。一方的な試合にならなかったのは、しぶとく守りながらカウンターで反撃した相手を褒めなければならない。

 アストンビラに望みが芽生えたムブワナ・サマッタによるゴールは、ジョン・ストーンズのミスから生まれたものだ。ただそのストーンズらシティの面々は、1点差に詰め寄られても慌てることなく、7割近くボールを支配し続けながら追加点を狙い、優位を崩すことはなかった。

 フルタイム間際にクラウディオ・ブラボの好セーブを必要とはしたが、その前後には惜しくもフィル・フォデンとアグエロ、ロドリゴ、ベルナルド・シウバがアストンビラのゴールを脅かしていた。

【次ページ】 相手ファンから次々と“悲鳴”が。

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