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自転車世界選手権オムニアムで快挙!
筑波大・梶原悠未、金メダルへの道。
posted2020/03/04 08:00
自転車競技のトラック種目で快挙が達成された。2月26日から3月1日にかけてドイツ・ベルリンで開催されていた世界選手権の女子オムニアムで、梶原悠未(筑波大、22歳)が女子では日本初の金メダルを獲得した。梶原は今夏の東京オリンピックを含むこれからの1年間、虹色の世界チャンピオンジャージを着てオムニアムを走る。
自転車競技の女子の全種目の中で、五輪と世界選手権を通じて初めての世界一。男子に目を転じても、自転車競技の世界一は、世界選手権のスプリント(トラック2周または3周で先着を争う勝ち抜き戦の種目)で10連覇の中野浩一ら3人しかいない。
梶原は「東京オリンピックで金メダルを獲るために世界選手権で金メダルを獲りたいとずっと言っていたので、まずは有言実行できて良かったです。まだ世界チャンピオンになった実感は湧きませんが、また来年も“アルカンシェル(世界チャンピオンジャージのこと)”を着られるように、より一層トレーニングに励みたいと思います」と語った。
そもそもは水泳との二足のわらじだった。
梶原が制したオムニアムは、中距離の4種目の順位を総合得点にして争う複合種目。
瞬発力から持久力までの幅広い身体能力だけでなく、刻々と変わるレース状況や各選手の特徴や作戦に応じて走りを変える頭脳も試される。自転車選手として総合的に高い能力が求められるため、オムニアムの世界上位は、花形のロードレースのプロツアーでも活躍する。最近では一昨年のジロ・デ・イタリアと昨年のツール・ド・フランスでステージ優勝したフェルナンド・ガビリア(コロンビア)がオムニアムの元世界チャンピオンだ。
梶原は小学生から競泳に熱中したが、全国中学生大会に出られなかったことや競泳の強豪校ではない筑波大付属坂戸高校に進学したことから、自転車競技にも興味を持った。部活の自転車競技のあとスイミングクラブでも練習するという二足のわらじを高校の3年間続けた。そして始めたばかりの自転車競技で瞬く間に頭角を現し、トラック種目とロード種目でジュニアのアジアや世界の表彰台に乗るようになった。