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《偏差値68》国立大の語学エリートが「意外な男女混成競技」で“日本インカレ連覇”のナゼ…スポ薦ゼロの「初心者集団」が学生日本一になれたワケ

posted2026/02/24 11:00

 
《偏差値68》国立大の語学エリートが「意外な男女混成競技」で“日本インカレ連覇”のナゼ…スポ薦ゼロの「初心者集団」が学生日本一になれたワケ<Number Web> photograph by 東京外国語大学公式HPより

スポーツ推薦のない超小規模な国立大学である東京外国語大学。そんな大学で「ある部活」が日本学生界の頂点に立った秘密は?

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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東京外国語大学公式HPより

 多くの大学生アスリートにとって最高峰の舞台である全日本インカレ。その舞台で、スポーツの世界では全くの無名だったある難関大学が2023年、2024年とチアリーディング競技で「まさかの連覇」を達成した。その奇跡のウラには、様々な秘話があった。《NumberWebノンフィクション全3回の1回目/つづきを読む》

「昨季は演技の難度をあげたんです。結果的にそれが失敗して結果は残せませんでしたけど……そもそもその構成に挑めるようになったことが大きな成長だったと思います」

 昨年12月、チアリーディング競技の全日本インカレで3連覇を逃し、6位に終わった東京外国語大学の若生充央コーチは、そんな風に淡々と大一番を振り返った。

 16人が1チームとなって演技を披露し、点数を競うチアリーディング競技は難度を上げ過ぎれば完成度が下がり、結果的に得点が伸びないことになる。それでも若生コーチの表情は満足げだった。

スポ薦なしの国立大が…全日本インカレ連覇のナゼ

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 東外大は、東京の郊外にある1学年800人ほどの小規模な国立大学だ。

 予備校が発表する偏差値では68と極めて高い入学難易度を誇る。語学系では国内最高峰大学の一角として知られている一方で、ことスポーツに関しては完全な無名校と言っていい。国立大ゆえスポーツ推薦での入学はもちろんなく、全国レベルで活躍するような運動部は皆無だ。

 だが、そんな大学のチアリーディング部が男女混成部門で2023年、2024年と学生最高峰の大会である全日本インカレを連覇。上述のように昨季は3連覇こそ惜しくも逃したものの、夏の全日本選手権(ジャパンカップ)では、強豪女子チームと争う大学部門で国立大で唯一、決勝まで残っている。

 80人を超える部員数は、国内で1、2を争う規模。中でも20人近い男子部員の人数は国内で他の追随を許さない。しかも高校までの競技経験者は数名しかおらず、ほとんどが大学から競技をスタートした選手たちだ。

 果たして小規模国立大の「素人集団」は、なぜこれほどの強豪へと躍進できたのだろうか?

「頑張っては……いるんだけどなぁ――」

 今から約14年前の2012年の春頃のこと。東外大を初めて訪れた若生充央は、同大のチアリーディング部の練習風景を見て、そんな風に思ったという。

 今年で51歳になる若生は、もともと20代の頃にチアリーディングの日本代表として活躍した選手だった。2000年代には世界大会での優勝メンバーにも名を連ねている。

 チアリーディングという競技は、日本では女子の競技のイメージが強い。

 だが、本場アメリカなどでは男女混成チームが基本である。当然ながら男子が入った方が演技のダイナミックさや力強さは上がり、シンプルに技の高さも高くなる。若生もそんな競技に魅せられ、本気で取り組んできたからこそ結果を残してきていたわけだ。

【次ページ】 「“勝負”の場に上がるレベルではない」けれど…?

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#若生充央
#東京外国語大学

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