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自転車世界選手権オムニアムで快挙!
筑波大・梶原悠未、金メダルへの道。
photograph by(C)JCF
posted2020/03/04 08:00
自転車競技の本場ヨーロッパで開かれた世界選手権で勝利した梶原悠未。東京五輪での金メダルに期待が高まる。
「大学の大会のためではなく、世界一になるため」
大学進学時には当然のように自転車競技の強豪校から勧誘されたが、「大学の大会のためではなく、世界一になるための練習ができる環境を求めて」あえて自転車競技のコーチがいない筑波大体育専門学群を選んだ。
大学2年でワールドカップのオムニアムで初優勝。大学3年では世界選手権のオムニアムで4位。大学4年になった今季は、ワールドカップのオムニアムで2連勝して、世界選手権に臨んだ。
次々と脱落していったライバルたち。
最初の種目はスクラッチ。距離は7.5km。ゴールの着順に応じて得点が決まる単純なレースだが、途中で誰かが抜け出そうとしたり、集団内の位置取りが最後のスプリント勝負に影響したり、レース途中の駆け引きが難しい。梶原と争うライバルとみられた前年まで世界選手権2連覇中のキルステン・ウィルト(オランダ)は、レース終盤、位置取り争いで後方の選手の進路を妨害する形になり、多くの選手が落車に見舞われた。そのためウィルトは19位に降格。梶原は1位となって最大の40ポイントを得た。
続くテンポレースは5週目以降の各周の先頭通過の数で争う梶原の得意種目。中盤以降は3人で抜け出し、交代で先頭通過を果たしてこの種目は2位。
次のエリミネーションは2周ごとに最後尾が脱落するサバイバルレース。ここでもう1人のライバル、ジェニファー・バレンテ(アメリカ)が2度目の除外周回で脱落する波乱で優勝争いからも後退した。
最後のテンポレースは40周。それまでの3種目のポイントを持ち点として、5周ごとに1~4位に5~1ポイントが加算される。最後の40周目は加算されるポイントが10~2ポイントと2倍。3種目までの持ち点で2位に20点の差を付けた梶原は、最初のポイント周回で1位になってさらに差を広げた。最終周を前に金メダルを確定させ、最後は集団の後方でゴールした。