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「関根潤三と池山隆寛」を見た現GM。
村上宗隆とヤクルト“我慢の系譜”。 

text by

長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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photograph byKYODO

posted2020/02/27 11:15

「関根潤三と池山隆寛」を見た現GM。村上宗隆とヤクルト“我慢の系譜”。<Number Web> photograph by KYODO

コンディション不良で1軍キャンプを離脱し、2月15日に宮崎・西都市の2軍キャンプに合流した村上。練習後、ファンにサインをしていた。

村上の成長を信じ、待ち、許す。

 昨年の実績があればホームランも、打点も現実的な数字に思える。

 ただ、打率に関して言えば、昨年から一気に7分近くもアップさせなければならない。いくらヤクルトびいきの僕だって、この目標設定に関してはいささか現実離れしていると言わざるを得ない。

 しかし、それでいいのだ。なにしろ村上は先日20歳になったばかりの若者なのだから。

 若者が大言壮語を吐かなくなったらおしまいだ。夢を持つことが難しい今だからこそ、誰にも負けない大きな夢を持ってほしい。

 昨年の成績を考えると、村上が今シーズン、打率3割をマークするのはかなり難しいことだろう。それでも、関根さんが池山を信じ続けたように、僕らも村上を信じ、待ち、許すことが求められるのだろう。

 答えはすぐに出ない。「1分で泣ける」「60分でわかる」ことばかりが求められ、疑問があれば、すぐにググらねば気が済まない現代人ではあるけれど、時間をかけねば答えが出ない問いもある。

「東京オリンピックで四番を打ってほしい」という思いの一方で、「いやいや、そんなに焦らなくてもいいではないか」という思いもある。

 来年のWBCは21歳、2025年開催予定のその次のWBCでも、村上はまだ25歳なのだ。答えは5年後に出る。そんな問いもある。そのときこそ、「世界の四番」として堂々と振る舞う村上の姿を見たいものだ。

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