三振も凡打も一緒だ。

　小川さんはこんな言葉を口にした。

「関根監督時代、僕も現役選手として池山の飛躍を間近で見てきました。あの当時、池山にしても、広澤にしても、関根さんは一貫して“三振も凡打も一緒だ”と言い続け、彼らがいくら三振しようととがめることはありませんでした。それが池山、廣澤の成長につながったのは間違いないと思います……」

　そして、村上についての言及が始まった。

「……そういう意味では、村上に対しても三振したからといって、自分のスタイルを見失わないでほしいと思っています。もちろん、無死満塁、一死満塁の場面では三振よりも、外野フライの方がいいのは当然です。でも、村上には変に当てにいったり、三振を怖がったりしないでほしいし、たとえ三振でも堂々としてほしいと思っています」

「たとえ三振でも堂々としてほしい」――。1980年代の関根監督と、2010年代の小川監督の姿が僕の中でオーバーラップする。

　そして、池山のその後の大活躍が鮮明に脳裏をよぎり、同時に村上のこれからの輝かしい姿がありありと思い浮かんでくるのだった。

今季の目標は「3割、30本塁打、100打点」。

　2020年の開幕を前にして、村上は今季の目標を「3割、30本塁打、100打点」と宣言している。

　先日の『週刊プレイボーイ』（3月2日号）の単独インタビューでも、「今年の個人目標は？」という問いに対して、「3割30本100打点です。これを達成してチームの勝ちにつながるように頑張りたいです」と力強い発言を残している。

　ちなみに昨年は、「2割3分1厘、36本塁打、96打点」なので、単純計算で言えば、昨年と比較して、打率は「プラス6分9厘」、ホームランは「マイナス6本」、打点は「プラス4打点」ということになる。

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