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ネルシーニョ魔術健在のレイソル。
強烈な前線で2011年の栄光、再び。 

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原山裕平

原山裕平Yuhei Harayama

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photograph byGetty Images

posted2020/02/26 11:30

ネルシーニョ魔術健在のレイソル。強烈な前線で2011年の栄光、再び。<Number Web> photograph by Getty Images

Jリーグは3月中旬までの公式戦延期が決まった。過密日程になることが予想されるが、レイソルはこの期間でさらにチームを熟成させてくるか。

昨季から進めていた「準備」とは。

 もっとも、ネルシーニョ監督は、J2にいた昨季から今季の戦いを見越して準備を進めていたという。

「J1に復帰することを見越して、若手を中心としたクオリティの高い選手の補強にフロントが動いてくれた。J1を戦ううえでクオリティの高い準備ができたと思っています。準備をきっちりとしてきた分、選手たちも意欲的に取り組んでくれている」

 確かな準備があったからこそ、新たなシーズンを不安なく、万全な状態で迎えられたのである。

札幌対策もきっちりと抜かりなし。

 さらに札幌対策にも抜かりがなかった。札幌の攻撃は、GKからボールをつなぐビルドアップとサイドアタックにある。引いて構えるか、リスクを取ってでも前から取りに行くのか。後者を選択したことが、柏の勝利の呼び水となったのだ。

「低い位置で守備をするという考え方も当然あると思うが、高い位置で守備をするのは相手のビルドアップを阻止するためには非常に有効。高い位置でひっかければ、ショートカウンターや有効な攻撃を仕掛けられるだけのスペースもある。この試合では守備をしながら常に攻撃のことを考えていたという方が正しいと思う」

 実際に4つのゴールのうち2つが、高い位置からの守備がきっかけとなったものだった。

「高い位置からの守備は、これからレイソルの守備のスタンダードになっていくと思う」

 そう語る指揮官にとっても、手ごたえを得られる一戦となっただろう。

 もちろん、課題がなかったわけではない。札幌の圧力に飲み込まれた終盤に立て続けに失点し、その後もあわやというピンチを招いた。迫力満点の攻撃に比べ、最終ラインにはやや隙があるように見えた。キム・スンギュのビッグセーブがなければ、展開が変わっていたかもしれない。

【次ページ】 思い出すのは、復帰即優勝の2011年。

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