セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
新型コロナでセリエA延期&無観客。
政府と迅速に連係、日本への視線は?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/02/25 18:00
セリエAの試合延期を伝える『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙。イタリアでは国を挙げて新型コロナウイルスへの警戒心を高めている。
ユーべvs.インテルは無観客か。
イタリア・サッカー界にとって喫緊の課題は、カレンダー再編成と無観客試合への対応だ。
主に対応を迫られるのは、政令の対象地域である北部2州の5クラブ(アタランタ、ブレシア、インテル、ミラン、ベローナ)だが、特に頭が痛いのは熾烈なスクデットレースにあるインテルだろう。
ELとコッパ・イタリアにも残っている彼らには、日程上の余裕がまったくない。
仮に2つのカップ戦で勝ち進めば、サンプと試合ができるのは最も早くてセリエA最終節直前の5月20日。終了後にEURO2020が控えることもあって、今シーズンは例年以上の過密スケジュールなのだ。
インテルは、27日(木)にELベスト32ラウンドの相手ルドゴレツ(ブルガリア)をサン・シーロに迎える。保健相の認可を待ったうえで、同カードは無観客試合として開催されることになった。
また今週末の天王山カード、ユベントス対インテルも同じく観客ゼロで行われる公算が高い。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は「隔離されたスクデット」と見出しを打った。
「サッカー界は政府の要請に……」
24日(月)午後、FIGC(イタリア・サッカー連盟)は緊急会合を開き、保健省やスポーツ省との連係や今後の見通しについて話し合いがもたれた。
会議後、会見に臨んだガブリエレ・グラヴィーナ会長の言葉には、国家の一大事にスポーツ界として難局を乗り切ろうとする決意が滲む。
「我が国の未来は何より技術的かつ科学的観点、そして全体の状況を把握する政府判断に委ねられている。現時点でスポーツイベントの開催禁止地域は限られているが、仮に状況が悪化して対象地域が拡大した場合、サッカー界は政府の要請に適宜応じていきたい」