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竹下佳江率いる姫路、残留かけ決戦へ。
「痛い思いもして、きっと強くなる」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2020/02/21 20:00
V・チャレンジマッチ(入替戦)で姫路は群馬銀行と対戦。V1生き残りをかけて戦う。
生き残りをかけた「チャレンジ4」。
姫路は、昨季の女王・久光製薬スプリングスをストレートで破るなど3勝を挙げたが、最終的に3勝18敗でプレミアカンファレンス最下位となり、プレミア、スター各カンファレンスの下位2チームによって争われるチャレンジ4に回った。
V1残留か、V2のチームとのチャレンジマッチ(入替戦)に臨むかを決める戦いである。
チャレンジ4に回ることが決まった時、竹下監督は、選手たちにこう話した。
「昨季昇格するにあたっても、ものすごいプレッシャーがかかる中で、ベテラン選手たちがすごく頑張ってくれて、このV1の舞台をつかみ取ってくれた。チームとしてまだまだ浅い歴史の中でも、そうやって積み重ねてきたものがあるんだよ」
残留への思いを1つにしたが、生き残りをかけた戦いは厳しかった。
初戦からPFUブルーキャッツ、日立リヴァーレに連敗。それでも最終のKUROBEアクアフェアリーズ戦まで残留の可能性は残されており、セットカウント1-1で迎えた第3セットはデュースの接戦となった。
堀込はレフトの貞包にトスを集め、その貞包が決めてセットポイントを握るが、そこからの1点が遠い。相手のブロックとディフェンスに対応されて逆転され、競り負けた。最下位となった姫路は入替戦出場が決まり、選手たちは涙をぬぐいながらコートを引き上げた。
痛い思いをして、きっと強くなる。
司令塔の堀込と、攻守の軸となった貞包は、目を真っ赤にはらして記者会見に現れた
堀込は、「プレッシャーのかかる中で、どうやって自分の持っている100%を出せるかがすごく重要でした。気持ちが強いチームが勝つと思ったんですが、気持ちが先走ってしまった」と語った。
貞包も、「最後、決め切るべき場面で、自分が決め切ることができなかった。まだまだ自分は甘い。自分のプレーだけじゃなく、チームをまとめる、チームを生かす、勝ちに導くという仕事をもっとやっていかなければ」と悔やんだ。
第3セットのデュースの場面について、竹下監督はこう述べた。
「非常に苦しいローテだったんですよね。たぶんセッター自身、迷った中での選択で、後手になった部分もあったとは思います。ラリーの中で、何か指示が出せるかと言ったら、もう決断するのは選手なので、こういう痛い思いもして、きっと強くなるのかな、と。そうして強くならなければならないチームだと思っています」