「練習から良い準備ができている」

　だから、司令塔の富樫勇樹は胸を張った。

「チームで助け合って、それぞれの持ち味や良いところをしっかり出せた2試合だったかなと思います。ケガ人が多いですが、ここから（代表戦のために）1週間空いて、ケガを直せる時間が来るのはすごく大きいと思います」

　2020年に入ってから代表戦による中断期間までに、ジェッツは12勝を挙げ、黒星は1つだけ。もちろん、リーグ最高の成績である。

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「最近はやっぱり、練習から良い準備ができているので、それが（エヴェッサ戦の）スタートにも出たのかなと。選手たちが前よりも考えてプレーしているというか、一つのプレーの大事さを意識し始めたというか……。大野さんが口酸っぱく言い続けてくれたこともありますし、『今のままではダメだ！』というみんなの危機感がそうさせている部分もあるのかなと思っております」

　そう分析するのは、今シーズンからキャプテンを任された西村文男だ。

チームNo.1のバスケットボールIQ。

　バスケットボールIQがチームで最も高いと言われる彼は、PGでも、SGでも、状況に応じて変わる役割を、的確にこなしていく。もっとも、今季は先発した試合はなく、怪我で離脱していた時期もあった。

　そんな西村が、試合開始直前に、先発の5人で組むハドル（選手たちが話し合うためにできる輪）に加わり、何かを伝えていることがある。

「僕が口を開いているときには何かしら、気になることがあるときで。大野さんからは『気づいたことがあれば“早めに”口を開いてくれ』と言ってもらっているので、そこは意識していますね。
　
　これまでは、ためて、ためて、最後に口を開くことが多かったのですが、以前より早めに言うようにしています。他人よりも気づくのが早い方かなと自分でも思っているので。歯車が狂いだす少し手前で僕が止められればな、と」

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