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巨人・岡本和真が語ったサザン愛。
「ベストの1曲は選べない」 

text by

齋藤裕(Number編集部)

齋藤裕(Number編集部)Yu Saito

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/02/13 18:00

巨人・岡本和真が語ったサザン愛。「ベストの1曲は選べない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

「日常には常にサザンが」と語る巨人の4番・岡本和真。自らの登場曲もサザンの名曲から選んでいる。

登場曲は自分より「桑田さんの思い」を優先。

 岡本のプロ生活の歩みはサザンとともにあったといっていい。高校通算73本塁打の記録を引っさげドラフト1位で入団したが、一軍定着ができず、もがいていた時期もあった。当時の登場曲は『波乗りジョニー』、その選曲にも試行錯誤があった。

「『波乗りジョニー』は嫁(当時は彼女)の希望です。『君こそスターだ』を当時二軍で曲名もマッチするかなと思って使ってみたんですが、『桑田さんが好んで歌う歌ではないらしい』と嫁から聞いて、すぐ変えました」

 自分のこだわりを無視しても、桑田さんの思いを優先するという信念の強さがそこにあった。

 当時、先輩に連れられていったカラオケでもブレずに『涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~』を歌い上げた。

悩みに悩んだ末に選んだサザンの名曲たち。

 信念と不動心を持ち続けた岡本はやがて頭角を現し、'18年途中から4番に定着。史上最年少で3割30本100打点を達成するなど順風満帆なシーズンを送った。周りからはそう見えていたが、若き4番は、人知れず悩みを抱えていた。

「'18年夏に『壮年JUMP』と『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』がリリースされて、登場曲をどっちにしようか、けっこう迷いました。聴き比べて、『壮年JUMP』をかけることにしました」

 絶えることなく新曲がリリースされているサザンゆえに、4番として、いや単にファンとして悩んでいたのだ。ライブにも足を運ぶ岡本の脳裏には当然、過去リリースされた名曲たちも“参戦”してくる。

「『シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA』を登場曲にしたりもしましたね。『希望の轍』も気に入っていて、歌い出しを登場曲にかけています。『ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)』もいいなと思ったのですが、球場でかけられる時間が10~15秒程度しかなく、その尺に合わせてどこを使おうか考えたのですが、それが大変で……」

 これまでの活躍の陰には、そうやって泣く泣く諦めた名曲の存在もあったのだ。

【次ページ】 ベストの1曲は「決められない」。

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