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前田健太が移籍するツインズとは。
地区の優勝候補で先発3番手を争う。
posted2020/02/10 11:30
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
あれは2014年の開幕直後。4月16日のことだった。
「ムネリン」こと川崎宗則内野手(当時ブルージェイズ)の取材のため、ミネアポリスでのツインズ戦に備え、数日前に降ったという雪が凍りついていたダウンタウンを通り抜けて球場入りしようとすると、怪訝な顔つきの警備員がこう言った。
「寒いから試合中止になったんだけど、知らなかった?」
前日のシリーズ初戦の4月15日、試合開始時の気温は華氏35度、摂氏では1.667度という厳寒だった。翌16日は雪こそ降らなかったが、摂氏1.1度前後まで冷え込んでいた。「室内フットボール場で野球なんて」などと酷評されたエアコン完備の前ドーム球場が恋しかった。
前田健太にとっての新しい本拠地ミネアポリスは、そういう場所だ。
冬は寒く、夏は意外と暑い。
北隣がカナダなので当然、1年中温暖なロサンゼルスとは違う。米系航空のハブ空港で日本からの直行便もある大きな都市ではあり、隣町セントポールとのツイン・シティー(双子都市 チーム名の由来)なので、全州の人口の60%前後がこの辺りに集中している。
とはいえ、日本人も日系人もロサンゼルスに比べれば、遥かに少ない。夜遅くまで開けてくれる日本料理店や韓国料理、中華料理の店もあるにはあるが、質量ともさすがにロサンゼルスには敵わない。
では夏になれば涼しいのかと思えば、これが意外と暑い。街の真ん中に流れの遅いミシシッピー川が通っており、湖も点在しているので湿気もあったりする。
NFL(アメリカンフットボール)やNBA(バスケットボール)の本拠地もあるぐらいだから、ダウンタウンには繁華街もあるのだが、少し郊外に行くだけで地の果てまで続くいるような農地が広がっており、ところどころにあるゴルフ場がやけに美しく見える。