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前田健太が移籍するツインズとは。
地区の優勝候補で先発3番手を争う。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2020/02/10 11:30
前田健太のメジャー4年間での成績は日本人先発投手の中でも上位。ツインズでも重要な役目を担うだろう。
昨年は地区を独走、今年の目標は?
過去には西岡剛内野手がいたこともあるが、その頃とはMLBレベルのフロントの顔ぶれは変わっており、別のチームだと思ってもいい。
昨年は38歳で史上最年少の最優秀監督となったロッコ・バルデリ監督の下、メジャー史上最多の307本塁打を記録した強力打線のお陰もあって、球団史上2位の101勝(61敗)を挙げてア・リーグ中地区で独走優勝を果たした。
ツインズに阻止されるまで3年連続同地区制覇のインディアンスや、大補強をしたホワイトソックスに対抗すべく、今オフもレッズ時代に2度もノーヒッターを達成しているベテランのホーマー・ベイリー(前アスレチックス)や、左腕リッチ・ヒル(前ドジャース)らを補強した。地区連覇ではなく、地区シリーズ突破を果たしての2002年以来のリーグ優勝を目指している。
マエケンの立場は先発の3番手争いか。
前田健太はそのチームで、25歳のエース、ホゼ・べリオス、スプリッターの使い手ジェイク・オドリジに続く先発3番手を狙う立場となる。
ヒルが肘の怪我により前半途中の復帰になりそうな現状で、ボルデリ監督は左腕ルイス・ソープらを昨今流行りの「オープナー」に起用することもあるだろうが、新鋭左腕デビン・スメルツァーやランディー・ドブナクがベイリーと裏ローテを務める見込みになっている。
昨年の開幕直後は「抑え役は状況に応じる」という状況だった救援投手陣は、昨年30セーブを挙げた左腕テイラー・ロジャースと、同17ホールドを挙げたトレバー・メイがセットアッパーを務める予定だ。前田のトレードに絡んだ救援ブルスダー・グラデロール(現レッドソックス)の放出は何の影響もないと思われる。
打線は前述の通り長打力があり、昨年3年ぶり40本塁打以上の指名打者ネルソン・クルーズを筆頭に、マックス・ケプラー外野手、ミゲール・サノー三塁手(今季は一塁固定)、チーム最多の109打点を挙げたエディー・ロサリオ外野手、ミッチ・ガーバー捕手とシーズン30本塁打以上を放った5人が今年も健在。
昨年22本塁打のホルヘ・ポランコ遊撃手や、昨年デビューしてチーム最高の打率.334を記録したルイス・アラエス二塁手に加えて、昨年、ブレーブスで37本塁打を記録したジョッシュ・ドナルドソン三塁手が加入して、昨季に匹敵する破壊力を秘めている。