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レアル育ちのグラネロが“3部”へ。
「重視したのは年俸じゃなく……」 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2020/02/09 11:50

レアル育ちのグラネロが“3部”へ。「重視したのは年俸じゃなく……」<Number Web> photograph by Getty Images

レアル・マドリーで将来を嘱望されたグラネロ。エスパニョールから2部Bクラブへの移籍は現地でも驚きをもって報じられている。

「この移籍は意義と意味に溢れる」

 もっとも、グラネロとマルベージャはまったく無関係というわけでもない。

 アンダルシア自治州マラガ県にある同名の国際的観光都市を本拠とするマルベージャは、2018年11月にロシア人アレクサンダー・グリンベルクから中国人チャオ・チェンの手に渡った後、グラネロの代理人を務める『Best of You』社によって運営されているからだ。おまけに『Best of You』の中国支社長はグラネロの兄である。

 しかし、それだけの理由で2部Bまで下ることを受け入れたとしたら、志が低すぎる。他に行き先がなかったならまだしも、グラネロの元には1部の他クラブや欧州の名のあるクラブからの誘いが届いていたという。

 会見で2部B選択の動機を問われた彼の答えはこうだ。

「俺は盲目的に慣例に従ったことは一度もない。ルールを疑うことと、自分の行動原則に従うことを両親に教え込まれている。キャリアの面でも気持ちの面でも、俺にとってこの移籍は意義と意味に溢れている」

中東、中国、MLSではない理由。

 今回グラネロは、2部B行きの他にもう1つ慣例を破っている。中東、中国、MLS等でキャリア最後のひと稼ぎをしようとしなかったことである。彼は現在32歳。欧州の外へ出ていくのは決して不自然ではないのだが――。

「年俸を重視していたら中国やカタールへ移籍していただろう。でも俺が大切にしているのはサッカーだ。マルベージャは昇格を目指しているクラブだから、厄介ごとに自ら首を突っ込んだ気もするけれど」

 ラジオ番組の取材に応じたグラネロの言葉である。

 ではマルベージャのいったい何に彼は魅了されたのかというと、まさにその昇格を狙う姿勢らしい。

 先月2部Bグループ4の首位に立ったマルベージャは、2部昇格と数年内の1部昇格を狙っている。(2部Bリーグは全国80チームが4グループに分かれて争う)

「クラブは挑戦を決意し、目標達成のために全力を尽くしている。俺はそこに加わりたい。コンディションは万全だし、やる気にも満ちているからタイミングは完璧だ。『二歩後退』なんて言われたが、逆に一歩前進だと自分では思っている」

【次ページ】 マドリーに入団した時以来の責任。

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