Jをめぐる冒険BACK NUMBER
青山敏弘「川辺駿をサポートしたい」
若き自分を支えた森崎和幸のように。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/02/05 11:40
キャンプ中に笑顔の青山敏弘(右)と川辺駿。このダブルボランチが機能するかが、城福サンフレッチェ3年目の焦点となる。
川辺がシャドーからボランチに。
こうした攻撃的な布陣を敷くうえでキーマンとなりそうなのが、川辺だ。
攻撃面における能力の高さは、シャドーを務めた昨季に改めて証明済み。だが、C大阪戦で見せたのは、それとは別の顔だった。自陣深くまで戻って身体を張り、相手ゴール前まで顔を出すなど、攻守両面で安定したプレーを披露していた。
いわゆる“ボックス・トゥ・ボックス”の選手へと変貌を遂げつつある川辺が言う。
「(移籍した)稲垣くんは守備や戦う部分で貢献していた選手。稲垣くんがいなくなったから、やられることが多くなったと言われるのは嫌ですから。僕が守備で稲垣くんに見劣りしないようなプレーができれば、より攻撃でも生きてくると思うので、そういう意識で今日はやれたと思います」
攻撃で違いを生み出す自信はある。だが、ボランチを務める今季はそれだけでなく、前任者のようにボール奪還においてもチームに貢献したいというわけだ。
若き日の青山と森崎和幸のように。
こうした川辺のトライを頼もしく感じている選手がいた。コンビを組む青山である。
「駿は前にスペースがあれば、より生きる選手。駿が攻撃に絡んでいけるように、しっかりサポートしていきたいと思っています」
イメージするのは、かつての自分と森崎和幸のような関係性だ。ボランチがなんたるかを知り尽くす先輩とコンビを組んだ若き日の青山は、盤石のサポートを得て自由にプレーさせてもらってきた。今度は青山が森崎の役回りを務める番だ。
「そんな関係が築けたらいいと思っているんです」
昨年のこの時期はアジアカップで負ったケガのリハビリに務めていた青山だが、今季はコンディションが良好のようだ。
「去年と違ってこの時期に身体をしっかり作れているから、調子はすごく良いですね。以前のように走り回ってチームを引っ張っていくことはできないけれど、チームの一員としてうまく機能できれば、と思っています」