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<トレーナーとコーチも太鼓判>
稲垣啓太の硬骨の肉体を見よ。
posted2020/02/05 08:00
text by

藤島大Dai Fujishima
photograph by
Atsushi Kondo
いつか笑うのか。かつて笑ったのか。白い歯はのぞくか。口角がどのくらい上がったらスマイルと定義されるのか。
ここに断じます。
そんなことはどうでもよい。
稲垣啓太は、形容不能の表情とは無関係に、いつでも稲垣啓太である。本日も弱音とエクスキューズを死語としながら、押して走って転んで、たちまち起きて、すぐに仲間とチームの勝利のためのしんどくて痛い攻守を始めるだろう。
見るべきは顔にあらず。
骨だ。
越後生まれの硬骨の人のぶっとくてカッチカッチのボーン。そいつがもたらす気骨こそを凝視するのだ。
新年某日。京都は京田辺。時の人の営むスタジオ(ジム施設)にジャパンの背番号1の大きな背中はない。いまごろ遠く群馬の太田で練習だろう。しかし影は残る。残っている気がする。
「頭蓋骨、手首、膝関節、足首、ひとつひとつの骨が太い。これは天性かもしれません。構造上、頑丈です」
佐藤義人は言った。
42歳。鍼灸師にしてトレーナーである。ちょうど取材の2日後、密着取材の対象となった民放の人物ドキュメンタリー番組が放映され、いっそう全国規模で存在を知られた。高名は有名と化した。
誰が呼んだかゴッドハンド、そのノウハウと効果はスポーツ界において多くの信奉を集め、2015年のイングランドでのワールドカップに同行、昨年の日本大会でも一部の選手のケアに携わるなど、ラグビー界との縁は深い。
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