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リスグラシューにアーモンドアイ。
海外GI馬と凱旋門賞組にある違い。
posted2020/01/03 08:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
2019年も競馬界は様々な事があった。中でも直近という事もあるが、有馬記念でアーモンドアイが敗れ、リスグラシューが女王の座と共におそらく年度代表馬の座をも奪取したシーンは衝撃的であった。
そもそもこのグランプリで1番人気に推されたアーモンドアイと2番人気だったリスグラシューには牝馬という以外にも共通点があった。
それは2019年に海外でGIを制しているという点だ。
そして、2019年の競馬界の出来事の1つとして、日本馬の海外での活躍は無視出来ないモノがあった。日本馬が2019年の海外で制したGIは実に8つ。これは年間の記録としては史上最多のレコードだ。私はたまたま全ての勝利に現場で立ち会う事が出来たが、それぞれ様々な過程を踏んでの優勝劇であった。
ドバイでアーモンドアイが快勝。
幕開けは3月のドバイ。冒頭に紹介したアーモンドアイが芝1800メートルのドバイターフに出走。前年のジャパンC以来のレースだったが、これを快勝してみせた。ちなみにこのレース、2着がヴィブロスなら4着もディアドラと、3頭出走した日本馬が上位4着までに全て入ってみせた。
続いての朗報は香港から。クイーンエリザベスII世盃(GI、芝2000メートル)に出走したウインブライトが見事に優勝。自身初のGI制覇を海の向こうでやってのけた。そしてこのレースも3着リスグラシュー、6着ディアドラと日本勢が上位を賑わした。
次の主役はディアドラだった。先述したドバイ、香港ではそれぞれ4、6着に敗れたが、彼女はその後、イギリスへ移動。同国の競馬の街として知られるニューマーケットに滞在し、かの地の競馬を転戦。イギリス2戦目となったナッソーS(GI、芝約1991メートル)を制してみせた。
秋にはオーストラリアで快挙が待っていた。
メールドグラースがコーフィールドC(GI、芝2400メートル)を堂々と勝つと、1週間後にリスグラシューがコックスプレート(GI、芝2040メートル)で目の覚めるような追い込みを決めて優勝。赤道の向こう側で2週連続、日の丸をあげてみせた。