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2019年最後のGI、2歳王者候補は?
ディープの仔・コントレイルの力。

posted2019/12/27 17:00

 
2019年最後のGI、2歳王者候補は?ディープの仔・コントレイルの力。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

2戦2勝、どちらも上がり3ハロンは33秒台。この時期にしてコントレイルの能力は際立っている。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 先々週の朝日杯フューチュリティステークスを圧勝したサリオスと、このレースの勝者のどちらが、令和最初の2歳王者となるのだろうか。

 第36回ホープフルステークス(12月28日、中山芝2000m、2歳GI)には、5頭の無敗馬が出走してくる。どの馬もここでインパクトのある勝ち方をすれば、2歳王者に選出される可能性があるだろう。

 そのなかに1頭、2戦2勝の無敗で、なおかつ「前走GIIIをレコード勝ち」というところまでサリオスと横並びの馬がいる。前走、東京スポーツ杯2歳ステークス(11月16日、東京芝1800m)を2歳日本レコードの1分44秒5で制したコントレイル(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)である。

 ライアン・ムーアを背に、1000m通過58秒8の速い流れから、直線で力強く抜け出して独走。最後は流すようにして、2着を5馬身突き放した。

 父ディープインパクト、母の父アンブライドルズソングというのは、2014年の2歳王者ダノンプラチナ、今年のデイリー杯2歳ステークスを勝ったレッドベルジュールらと同じで、相性のいい配合だ。

 管理するのはリスグラシューで有馬記念を制した矢作芳人調教師。生産者がノースヒルズで、馬主が前田晋二オーナーというのは'13年のダービー馬キズナと同じ。鞍上は新馬戦を勝った福永祐一に戻る。大舞台に強いコンビだけに楽しみがひろがる。

 ノーザンファーム生産馬による'19年のJRA・GI20勝目を阻止するかどうか、という意味でも注目だ。

ハーツクライの子に、ルメールが騎乗。

 もう1頭、早くから素質を高く評価されているのが、新馬戦とアイビーステークスを連勝したワーケア(牡、父ハーツクライ、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 新馬戦は稍重、アイビーステークスは重馬場だったので勝ち時計こそ平凡だが、2戦ともラスト3ハロンはメンバー最速の33秒台前半でまとめ、2着以下を突き放している。

 ハーツクライ自身もそうだったが、産駒はこの時期の力のいる馬場が得意だし、速い時計にも対応できる。サリオス、リスグラシューにつづき、3週連続でハーツ産駒がGIを制するか。鞍上のクリストフ・ルメールとしては、アーモンドアイで有馬記念を勝てなかった悔しさを晴らしたいところだろう。

【次ページ】 ゴールドシップ譲りのスタミナの持ち主も。

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