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スノボーの父、J・バートン逝く。
すべてを“滑り”に捧げた男の人生。
text by
野上大介Daisuke Nogami
photograph byBURTON
posted2019/12/20 11:15
ジェイク・バートンの訃報に接し、ショーン・ホワイトは「彼のレガシーを何としてでも後世に伝えていく」とSNSでコメント。
SNSでも“らしさ”が溢れていた。
バートンのフレンドリーかつユニークな一面は、近年SNSを通じても発信されていた。毎年ハロウィンになると、自身が仮装した写真を全世界で働く約800人の社員に送り、インスタグラムにも投稿しているのだが、その時々の風刺がきいていた。
例えば2017年には、アルペンスキーのスターだったリンゼイ・ボンが「スキーヤーとスノーボーダーは別々の山で滑るべき」という発言をしたことに対し、彼女が自著のために撮り下ろしたストックを両脇に抱えた全身ヌード写真を完全にコピー。スキーヤー姿で「やあリンゼイ。ハッピー・ハロウィン。(平昌)オリンピックで会いましょう。私はスノーボードそのものです」とのコメントを添えてSNSにポストした。
また、今年10月には中国・北京を訪問し、その後ラグビーW杯観戦のため日本を訪れる予定だったのが、ハロウィン用の撮影のためにわざわざアメリカへ帰国してから来日した。このときに撮影された仮装は、スポーツイラストレイテッド誌の水着特集を模したビキニ姿だった。遊びを仕事にしてきたバートンだからこそ、そんなところでも本気で遊ぶということなのか。
12月13日、東京・渋谷でバートンとのお別れ会「Ride on Jake」が執り行われた。「13」という数字は合わせるとBになることから、BURTONのシンボルナンバーとしてデザインなどにも頻繁に使用されている。その会場では、ここで書ききれないほどの彼にまつわるエピソードが語られていた。
バートン氏の魂は、これからもスノーボーダーたちの心に宿り続ける。そして、僕たちスノーボーダーはこう願う。
Ride on Jake.(ジェイクよ、滑り続けてくれ)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。