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フィギュア女子、GPファイナルで
見えた北京五輪への“2つのルート”。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2019/12/13 19:00

フィギュア女子、GPファイナルで見えた北京五輪への“2つのルート”。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

コストルナヤのフリーの演技構成点は73.27。出場6選手の中で唯一70点代に乗せる、美しく完成された演技を披露した。

北京五輪優勝には2つのルートしかない。

 つまりファイナルから見えてきたのは、2022年の北京五輪で優勝するため、という観点からは、2つのルートがあること、あるいは2つのルートしかないことだ。それはどの選手も変わらない。

 4回転ジャンプを武器に勝負する。あるいは、トリプルアクセルを取り込みつつ、総合力も高めながら、完璧な演技を志す。

 もはや、3回転-3回転のコンビネーションジャンプがいちばんの武器である時期と決別したと言っていい。紀平は言う。

「ファイナルは、今後は4回転ジャンプが必須になるとあらためて感じさせられた試合でした」

各要素を磨いていくことで対峙していける。

 自身、今大会で初めて4回転サルコウを取り入れた。失敗には終わったものの、表情は明るかった。

「時代の流れに沿っていくためには、挑戦してよかったと思いました」

 大差をつけられたものの、その中でも手ごたえと伸びしろを感じることができたのが大きかった。

「4回転サルコウを転倒しても、そのほかはあまり崩れませんでした。リスクのある演技をしたけれど、それでも高得点はもらえたと思います。点数が上がるポイントは見つかっているので、次にいかせるように練習しないといけないです」

 4回転サルコウを完成させつつ、加点をさらにもらえるようなジャンプを跳ぶこと。さらには左足首の痛みで今は回避しているトリプルルッツを取り戻す──など、各要素を磨いていくことで対峙していける、と考えている。

【次ページ】 ジャンプの高難度化の波は消えない。

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