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巨人からメジャー目指す山口俊。
マウンドと“鈍感力”が意外と合う?

posted2019/12/13 20:00

 
巨人からメジャー目指す山口俊。マウンドと“鈍感力”が意外と合う?<Number Web> photograph by KYODO

記者会見でメジャーリーグ挑戦を表明する巨人の山口俊投手(中央)。左は原監督、右は今村球団社長。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

 現地時間の12月9日(日本時間同10日)に米・カリフォルニア州サンディエゴで米大リーグのウインターミーティングが始まり、メジャー挑戦を表明している日本人選手の市場もいよいよ本格的に動き出した。

 その中で早くからメジャー参戦を表明していた西武・秋山翔吾外野手やDeNA・筒香嘉智外野手、広島・菊池涼介内野手らに比べると、少し出遅れた感のあるのが巨人の山口俊投手だった。

 球団史上初となるポスティング制度を使ってのメジャー移籍を表明したのが、「プレミア12」が終わった直後の11月18日。そこから1カ月も経たずに移籍交渉の正念場を迎えることになった訳だ。

最多勝利と最高勝率のタイトル獲得。

「私の夢でありましたアメリカ大リーグに挑戦させていただくことになりました。より一層、精進して参ります」

 原辰徳監督同席で行われた会見で、山口はメジャーへの思いをこう語った。

 子供の頃にとんねるずの石橋貴明さんらが出演した映画『メジャーリーグ』シリーズを観て、「そういう世界があるんだなというのから、大リーグをリアルに見始めた」というのがきっかけだった。

 3年前にフリーエージェントで巨人に移籍した際にポスティング制度での移籍を契約に盛り込み、その上で3年目の今季は早い段階で移籍の可能性を球団に伝えていた。そしてその覚悟を表したのが、今季の成績だったのかもしれない。

 昨年に続いて2度目の規定投球回数をクリアした今季は26登板、170回を投げて15勝4敗の勝率7割8分9厘で最多勝利と最高勝率のタイトルを獲得。またキャリアハイの188奪三振で最多奪三振賞にも輝き、防御率2.91もリーグ3位の数字を残した。

【次ページ】 現地での評価が上がってこない。

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山口俊
読売ジャイアンツ

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