酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ラミレスもロペスも“歩かず選ばず”。
NPBで光るベネズエラ人の共通点。
posted2019/12/06 11:40
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
今年の11月、台湾・桃園国際野球場での「プレミア12」日本初戦のベネズエラ戦でのこと。
ベネズエラは初回、1番カスティーヨと2番クエルクートが侍ジャパン先発の山口俊を早いカウントからコンコーンと打ってあっという間に一、二塁とした。日本人選手なら初対戦の投手はじっくり見ていくだろうが、彼らはおかまいなしである。
「ベネズエランはみんなこうなんですよね」
横で見ていたMLB取材歴の長いライター氏がつぶやいた。ただ結局、このあと三振、三振、二ゴロであっという間にチェンジである。
NPBで目立つベネズエラ勢の活躍。
最近、NPBではベネズエラ選手の活躍が目立つようになった。
DeNAのホセ・ロペスは、イチローの2004年のシーズン262安打をチームメイトとして目撃した歴史の証人だが、ベイスターズでは勝負強い打撃と、堅実な一塁守備で信頼を集めている。またエドウィン・エスコバーは日本ハムからDeNAに移籍して、100マイル近い剛速球を投げるセットアッパーとして活躍中である。
西武のエルネスト・メヒアも来日1年目でホームラン王を獲得し、以後も主軸を張った。最近は代打起用が多いが、来季も契約を延長した。
さらに来年は、オールスター出場の名遊撃手アルシデス・エスコバーがヤクルトに、ゴールドグラブ2度の名外野手ジェラルド・パーラが巨人にやってくる。アルシデス・エスコバーはDeNAのエドウィンのいとこだ。さらにベネズエラ色は濃くなるのだ。
ベネズエラ出身選手の活躍が目立つようになったのは、近年、アレックス・カブレラ、ロベルト・ペタジーニ、アレックス・ラミレスとNPBで大活躍したベネズエランが続出したことが大きいだろう。
特にアレックス・ラミレスは外国人初の2000本安打を達成。引退後はDeNAの監督に就任し「ラミちゃん、やるじゃん!」とハマっ子に言わせるような采配を見せている。