フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER

NHK杯、紀平梨花vs.コストルナヤ。
トリプルアクセル競演「2つの差」。

posted2019/11/26 20:30

 
NHK杯、紀平梨花vs.コストルナヤ。トリプルアクセル競演「2つの差」。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

紀平(右)、コストルナヤともにトリプルアクセルを複数回成功させ、ハイレベルな争いとなったNHK杯女子シングル。

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 グランプリシリーズ最終戦となるNHK杯は、表彰台争いは「3人」になるはずだった。平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(17)、昨季のGPファイナル女王の紀平梨花(17)、そして今季シニアデビューのアリョーナ・コストルナヤ(16)だ。

 スケートでの学年としては、ちょうど1年ずつ違う3人。激戦が予想されていた。

 しかし想像する以上に、時代の流れは早かった。

 トリプルアクセルの大技を持たないザギトワはノーミスでの演技が必須だったが、ショートで連続ジャンプを失敗すると4位発進。初日の時点で、紀平とコストルナヤによる『トリプルアクセルの競演』という展開になってしまった。

 ショートは、2人ともに美しいトリプルアクセルを着氷した。紀平は、79.89点での2位発進。一方のコストルナヤは女子の歴代最高得点となる85.04点をマークした。

5点以上の点差がついた訳。

 2人ともトリプルアクセルを降りたのに、5点以上の点差がついた。その大きな理由は、紀平が3回転ルッツをケガのために抜いていることと、3回転ループで着氷がやや乱れたことにある。しかし見落としてはならないのが、小数点以下での「2つの差」だった。

 その1つはまず、トリプルアクセルの跳び方だ。

 コストルナヤは、今季にトリプルアクセルを初成功し、女子史上10人目の成功者に名を連ねたばかりである。しかし、やっと跳ぶのではない。なんとロッカーという難しいターンを連続で踏んでから、ただちに跳ぶ。そして高い。そして着氷が流れる。

「出来映え」の加点は「+3」や「+4」がずらりと並び、平均で「+2.40」となった。紀平のトリプルアクセルはタイプの違う良さがあり、パワーと飛距離を評価され、その評価は「+2.29」だった。

 さらには演技構成点の、ごくわずかな差があった。コストルナヤは35.66点で、紀平は35.45点。もっと細かくみると「演技力」でコストルナヤは9点台、紀平は8点台だった。

【次ページ】 「びっくりしたけれど、理解できる」

1 2 3 4 NEXT
紀平梨花
アリョーナ・コストルナヤ

フィギュアスケートの前後のコラム

ページトップ