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おしゃべりな王者と沈黙の挑戦者。
内藤哲也「2冠」の野望達成への壁。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/11/26 11:50
ジェイ・ホワイトに挑発され続けるも、沈黙を貫く内藤哲也。あれだけ饒舌だった内藤の不気味な無言劇は、今も続いている。
内藤「一番大事にするべきなのは、自分の気持ち」
当の内藤は、11月5日に都内で行われた記者会見で下記のように語った後は、タッグマッチに出場するだけでノーコメントを貫いている。
「待っているだけじゃチャンスは訪れない。自分から掴みにいかなきゃ、絶対にチャンスなんか訪れない。
周りにどう思われているか?
そんなことよりも一番大事にするべきなのは、自分の気持ち。オレはジェイ・ホワイトにリベンジしたい。ジェイ・ホワイトにオレの野望を横取りされたくない。だから、名乗りを挙げました。
1月4日はジェイ・ホワイトとインターコンチネンタル王座だけを見てリングに立ちたいと思います。そして、1月5日、インターコンチネンタル王座とIWGPヘビー級王座を同時に保持する、史上初の男になって見せますよ」
内藤はそれっきり公の場では語っていない。
なぜ内藤にリマッチ権があるのか?
ホワイト側にはホワイト側で、内藤に大きな不満がある。
リマッチを嫌っていたはずの内藤が、ステップを踏まずに勝手に名乗り出てホワイトとのリマッチ権を行使したことだ。
「そもそも東京ドームで内藤とインターコンチネンタル戦をやるべきではないはずだ。内藤にはその資格がない。なぜなら、すでにオレは内藤に2回も勝っているからだ。なぜ大阪で内藤がタイチに勝ったぐらいで王座に挑戦できるのかまったく理解できない。
内藤はリマッチだって言うかもしれないが、G1でもオレが勝っているからそのリマッチ権も消滅しているはずだ。
そんなにリマッチ権が重要だと言い張るのだったら、オレの力でソールドアウトにした4月のマディソンスクエアガーデンでIWGPのベルトを失ったオレにも、オカダへのリマッチ権があるはずだ。だが、そのリマッチ権はいまだにオレには与えられていない。
クリス・ジェリコはいきなり(IWGP王者の)オカダに挑戦できたが、オレはまったく納得していない。どう考えても、オレがIWGPのナンバーワン・コンテンダーのはずなんだ」