松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
加藤健人と菊島宙のレクチャーで
修造がブラインドサッカーに挑戦!
posted2019/11/25 07:00
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph by
Yuki Suenaga
見晴らしの良い河川敷。浦和レッズが運営するレッズランドの敷地内には練習用のサッカー場がいくつも並んでいる。その内の1つであるフットサル場に、加藤健人さんと菊島宙(そら)さんの姿があった。
2人はともにブラインドサッカーチーム「埼玉T.Wings」のチームメイトで、加藤さんがキャプテンを務めている。加藤さんの愛称は“カトケン”。菊島さんは“ソラ”。それぞれが男子チーム、女子チームの日本代表選手でもある。
しばらくしてまだ暑さの残るグラウンドに松岡修造さんが現れると、2人の表情に笑みがこぼれた。2人はともに視覚障がい者だが、目の前に立つ松岡さんの姿はどれほど認識できているのだろう。簡単な挨拶をすませると、さっそく松岡さんからこんな質問が投げかけられた。
「同じ視覚障がいでも、ずいぶん見え方が違いますね」
松岡「今、健人さんは僕がどれくらい見えているんですか」
加藤「僕は光を感じられる程度なので、身長とかもわからない。どこに誰がいるかとかも見えてません」
松岡「でも、さっきトイレに行かれてたでしょ。普通に歩いているから、少しは見えているのかと……」
加藤「1人では場所がわからないので、先ほども奥さんについてきてもらいました。今日もここには奥さんの運転する車で来ました」
松岡「そうでしたか。奥様とはいつごろ知り合われたんですか」
加藤「元々チームのサポートをしてくれていて、そこで知り合いました。結婚して4年くらいが経ちます。今日は子どもも来ているから、後で松岡さんに抱っこしてもらおう(笑)。息子は今、1歳半です」
松岡「じゃあ、後ほど(笑)。(菊島)宙さんはどうですか。僕の姿はどのくらい見えてますか」
菊島「私はぼんやりと。カメラのピントが合っていないような感じです」
松岡「じゃあ僕がこっちに移動してもわかる。顔もわかりますか」
菊島「はい。一応テレビで見たことがあるので」
松岡「同じ視覚障がいでも、ずいぶん見え方が違いますね。でも、ブラインドサッカーは目隠し(アイマスク)をするから、それで条件が同じになるのですね」
加藤「まさにその通りで、光の感じ方に個人差があるから、このアイマスクで全員の条件を同じにするんです」