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ホークス王貞治会長も密着マーク!
高校通算97発、黒瀬健太への金言。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKoutaro Tajiri
posted2019/11/22 11:15
秋季キャンプで王貞治会長から直々に指導を受ける黒瀬健太。
歴代3位の高校通算97本塁打。
将来の超スラッガー候補。2015年のドラフト5位で初芝橋本高校から入団した黒瀬には、誰もが明るい未来を期待した。高校通算97本塁打。清宮幸太郎(ファイターズ)が早実時代にそれを超えていったが、それでも現在でも歴代3位の記録を誇る。
しかしプロの壁に悩まされ、3年目だった昨年の二軍戦でも打率1割3分、1本塁打、7打点の成績しか残せずに戦力外通告を受けた。今季は背番号を「126」に変えて育成選手としてシーズンを戦った。
今季も目立った成績を残せたわけではなかったが、野球に取り組む姿勢は見ていて明らかに変わった。
「2年目くらいまではアレコレやらされている感じだった」
のんびり屋の性格が邪魔をした。今季は打撃フォームを自ら模索して作り上げた。一時コーチと衝突したこともあったが、それだけ自分の中に強い信念が出来た裏返しでもあった。
川端慎吾、山田哲人の助言。
「この1年間の中でも打ち方は変えた部分がありましたが、1つやり通したのはバットを構える位置でした。以前は体から離していましたが、自主トレで『もっと体の近くで構えた方がいい。無駄な動きが2つ無くなる』と言われて試したらそれがすごく良かった」
助言をくれたのはスワローズの川端慎吾だった。黒瀬の中学時代の所属チームの監督が川端の父という縁もあり一緒に自主トレを行っている。そして川端の言葉に同調して、さらにアドバイスをくれた球界のスターもいた。
同じくスワローズの山田哲人も共に汗を流す仲間だ。
「山田さんからは右打ちを教わりました。右手の使い方の表現がすごく興味深かったです。山田さんはわざとこねるように右手を使う。ホークスでも(川島)慶三さんに『俺はラリアットのイメージだ』と聞いたことがありました。そしてシーズン中も藤本(博史)三軍監督や吉本(亮)打撃コーチに教わりながらやっているうちに自分でも手応えを感じるようになりました」