濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
アイドル、レジェンドにデスマッチも。
両国3連戦が示したプロレスの多様性。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byDDT ProWrestling
posted2019/11/15 11:00
KO-D無差別級王者の竹下幸之介を破って2冠王となったEXTREME級王者・HARASHIMAが輝く大会に。
いつもと変わらぬ各団体の“味”がそこに。
これは両国3連戦に出場した、ほとんどの選手に共通する思いではないか。
イサミや宮本ほど極端な経験はしていないかもしれないが、多くの団体が観客200人、300人の会場をベースにしている。そこでファンを掴まなければ後楽園ホールも見えてこない。ノアにしても、新体制で“名門復興”の真っ最中。ビッグマッチ開催は決して当たり前のことではない。
両国国技館で見られた現代プロレスの多様性は、たとえば板橋グリーンホールや新木場1st RINGといった小会場での興行、数えきれないほどの地方大会からつながっているものだ。ムタやエルガン、ケニーといった“豪華食材”はあっても、各団体の基本的な“味”はいつもと変わらない。そこが何より素晴らしかった。