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カリアリ躍進でサルデーニャ熱狂!
野獣ナインゴランも激しく吠える。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2019/11/14 19:00
強面でオーラ全開のナインゴラン。カリアリ復帰でサルデーニャ島は熱く燃え上がる。
優勝メンバーは辛口も視線は優しい。
そして、やはりナインゴラン節も炸裂する。野獣は野獣だった。
「インテルでの1年には悔いも恨みもない。だが、俺を放り出した人間たちにはたっぷり後悔させてやる」
カリアリの勢いはちょっと止まりそうもない。
称賛しつつも手厳しいのは、御年80歳の元守護神アルベルトージを初めとする50年前の優勝メンバーくらいだ。OBたちは「悪いが今季のチームよりわしらの方がどうやっても上」と譲らないものの、孫ほどの年齢の後輩たちの戦いぶりを彼らも目を細めて見守る。
クラブ創設100周年を祝うシーズン、本当に欧州カップ戦の切符をつかめたらどんなに素晴らしいだろう。
離島のクラブにも夢見る権利はある。
実はナインゴランに劣らず、島へ熱い思いを抱くマランは、すでに大願成就した場合に備え「サルデーニャ島のシンボルをタトゥーとして入れる」という仰天公約までしている。
「チーム全員が揃って仕事を始めてまだ数カ月。つまり、うちにはこれからまだまだ強くなる余地があるんだ」
離島のクラブにも、ヨーロッパの舞台を夢見る権利はある。
リーグ戦が再開される11月23日まで、サルデーニャ島の人たちはこらえきれない笑みとともに、2度見といわず100度でも200度でも、スマホや新聞の順位表のページを眺め続けるに違いない。